本日は免許の更新に行ってきた(その2)


2階にあがり、受付をするとさっそく「暗証番号は決めてきましたか?」と聞かれ、


 「(……そういえばそんなこと書いてあったなあ。でも、なんにも考えてないや)」


などと思いながら、「ええ、ばっちりです」と答えて3,250円を払うと、「後ろの機械で暗証番号を入力してください」といわれ、いま思いついた暗証番号を入力すると、その入力したばかりの番号がでかでかと印刷されたカードが排出され、


 「こんな丸見えじゃ暗証番号の意味ないじゃん」


などと思いながら、そのものすごい暗証番号のみやすいカードを手に、視力を測り、写真を撮ると、


 「あとは講習を受けていただきますので、こちらでお待ちください。なお携帯電話の使用はしないでください」


と椅子が並んでいる廊下に案内されたのであります。


 「携帯電話を使用するなっていうのは手に持つなってことだよな……?」


なんてことを思いながら、手持ちぶさたで更新前の免許証をなにげなくながめていると、前回の更新も4月9日なのを発見。


 「……人間って、5年経ってもやってること変わらないんだなあ」


と一人でにやにやしていると、「講習をお待ちの方」とよばれ、最後に講習という名のビデオ鑑賞会に突入したのですが、「まーた、古いビデオみせられるんだろうなあ」なんて思っていたら、あの福留さんの出演で撮影も比較的新しい様子。

ですが、その内容というのが「うっかりで事故を起こして懲役10年」とか「前方不注意で相手が死亡してしまい交通刑務所で服役中」とか「酒気帯び運転で歩行者をはねてしまい、事故を起こした旦那は服役中なので、その奥さんが被害者の見舞いや裁判の手続きなどを行っているのだが、医療費や慰謝料や裁判の費用なんかをひっくるめると1億円はかかるといわれ、“オレが出所するまでがんばってくれ”と服役中の旦那が励ますも奥さんは自殺」とかいう、むやみにヘビーな内容なのであります。

たしかに「車は危険な乗り物」ではありますが、便利なもであり、また生活や仕事をするために車が必要不可欠な人もいるわけです。

にもかかわらず、このビデオの内容だと事故を起こすと、必ず被害者が死亡もしくは重傷になってしまうのはあまりにも極端すぎるというか、


 「ようは車に乗るなってことじゃん」


と免許を更新しているところでこういうネガティブなビデオをみせるのもいかがなものかと思いつつ、「今年からIC免許証になって本籍地が記載されなくなりました」とか「中型という区分ができました」とかいう説明を上の空で聞き流し、講習が終わると気分が悪かったのでやっぱりパトカーと警察官だらけの駐車場を抜け、さっさと会場を後にしたのでありました。


 「結局、免許を取ってもまったく車に乗らずにお金を払って更新しているだけの人が一番手がかからないし、儲かるのかもしれないな……」


なんてことを考えたりしつつ、ふだんはたいして守らない交通法規をちゃんと守って自宅へと戻ったのでありました。