働けECD読みました

んまあ、この書籍を読んだ経緯を一言でいうと、娘が夏休みに入って、自宅でヒマこいて毎日4時間くらいテレビやDVDをみまくっているので「だったら本でも読めや」と、20年くらい前に作成した図書館カードを持って図書館に行って娘の読みたい本(主に怪傑ゾロリ)を上限ぎりぎりの15冊分をフルにかりまくっていたら、図書館に読みたい本がなくなってしまい、仕方がないのでネットで書籍を予約できる方法を調べて予約してみたら、思いのほか簡単だったので、怪傑ゾロリを予約するついでに自分が読みたい書籍の予約を入れてみたのです。

 

そうしたら、すぐにメールで連絡がきていたものの、自分で予約を入れたのに取りに行くのめんどくせえ、なんて思っていたら、ここのところ毎日のように図書館に行って本を借りているので、「予約の本お願いします」なんてことをいうまでもなく、主に怪傑ゾロリと一緒に借りた本のなかにしれっと入っておりました。

 

以前から気になっていたものの、まさかこのタイミングで読むことになるとは思っていませんでした。

 

タイトルから察するに、旦那であるECDさんがなんらかの理由で働いていないため、生活がひっ迫しており、それを著者である植本さんが嘆いている……といった内容なのではないかと推察しておりましたが、読んだかぎりではECDさんは定職に就いているし、音楽活動も精力的にこなしつつ、家事も育児もばりばりこなしている。

 

しかし、音楽活動を行うためには仕事を不定期で休む必要があり、そのためか待遇がよくない。おまけに収支をみるかぎりではどう考えてもそんな余裕はないのに、昼食のお弁当……ではなく、飲み物を買うようにレコードやCDを購入している。

 

これを書いていて思ったのだが、ミュージシャンであるECDさんにとっては音楽を聴くことは私たちがお茶を飲むような感覚だったのかもしれません。

 

正直、この本を読むまではECDさんという人はどれだけ破綻した人なのだろうと勘ぐっていましたが、植本さんの描写によれば性格が破綻しているわけでもないし、ECDさんご本人が書かれた文章を読むと至極まとも。というか、雑誌のコラムの連載を持つくらい言葉を操る才能がある(ラッパーだし)。

 

でも、お金がない。

 

一概にお金があるから幸福、ないから不幸というわけではないと思いますが、読んでいてもう少しECD家にお金の余裕があれば、植本さんの子育てにも余裕があったのかなあとも思いました。

 

だからといって、別にECDさんも働いていないわけじゃないんですよね、私にいわせればものすごく働いている。でも、拘束されている時間のわりに待遇がよくない。

 

でもね、でもね、いわせてもらうと、たとえお金があったとしてもあったなりに、なければないなりに不満が出るわけだから、ECDさんの行動や態度に対して愚痴や文句がなくなるわけではないと思うんですよ。

 

つまり、

 

ECDさん働く

 →収入は増えるがECDさんが自宅にいない時間が増えて家事や育児の負担が増える

 

ECDさん働かない

 →収入は減るがECDさんが自宅にいる時間が増えて家事や育児の負担が減る

 

なんだけども、奥さんにしたらどちらにしても不満なんじゃないのかなって。

 

余談ではありますが、旦那としては仕事も家事も育児もやっているはずなのに、なにをしても不満しか出力されないわけだから、「じゃあ、どうすりゃいいのよ?」って感じですけれども、旦那の家事や育児のレベルが妻の要求や基準をまったく満たしていないとか、旦那が仕事に行って稼いでいるというのに、ワンオペ育児とかいっちゃう風潮ってなにかがおかしい気がしてなりません(ワンオペって言葉を使用するのであれば、一人の人間が生活費を稼いでさらに家事も育児もすべて行うってことなんじゃないのかなって思います)。

 

ちなみに私はいま妻が入院しているので、娘の世話や家事や仕事もすべて自分一人で行っていますが、妻が入院しているのは故意ではないのでワンオペではなく、旦那が仕事をしているけれども自宅に戻って妻をいたわったり、家事や育児をしてくれないのは故意なのでワンオペということなのでしょうか。

 

私の経験では、仕事から戻って妻をいたわったり、家事や育児をしたとしても文句や小言をいわれ、ダメ出しをされるのがオチではありましたが、いま思うと私の妻へのいたわりや家事や育児のレベルが妻の要求や基準をまったく満たしていない……これがきっと世間(特に日経ウーマノミクスあたり)でいわれるワンオペの正体なのでしょう(たぶん違う)。

 

1時間くらいで読み終わりましたが、なんだか読み終わったあとにすごく身につまされました。