目赤のサンマ


つうか、午後出社したら、いきなり「サンマのアカメを直してください」といわれ、なんのこっちゃ意味がわからなかったので「はあ?」と聞き返すと、「ええと(チラシの)表面にサンマの画像を使っているんですけど、お客さんがサンマの目が赤いのが気持ち悪いから赤目を直してくれっていってきたんです」といわれ、「サンマって赤目になるものなのか?」と思いながらも「はい、わかりました」と答えたのである。

で、画像を開いてみると、やはりサンマが赤目になるわけがなく、いままで海を悠々と泳いでいたのを捕らえれてしまった悔しさか、4匹いるうちの1匹のサンマの目が血走って充血しており、それが赤目になったようにみえるのであった。

私は「これってカメラマンの撮り方がまずいんじゃないの?」と思いつつも、その事実を伝えようとしたのだけれども「だからなに? さっさと直せ」といわれるのが関の山なので、とにもかくにも赤目を修正しようとしたのである。

だが、赤目の部分をスタンプで修正しようにも範囲が大きすぎて、いまいちうまくいかない。


「つうか、これはおいらの仕事じゃなくてk主任の仕事だよなあ。おいらにこんなことやらせるなよ」


などと思いつつ、しばしどうしたものかと悩んでいたのだが、気がつくとなにやらサンマの画像待ちのような雰囲気になっていたので「急いでるんだったら自分でやれよ」と思いながらも、「急いでいるんならもうどうでもいいや」と赤目の部分を自動選択ツールで一括選択し、それをざっくりと削除してから、ほかのサンマの目の回りの部分をスポイトツールで拾って、そのままその部分に張り付けてやったのである。

つうか、こんな修正はやっつけもいいところで、その部分を拡大してみるとどこからどうみても不自然極まりないのだが、拡大率を100%にしてみるとサンマの赤目はすっかり取れており(当たり前だけど)、なかなかすてきな仕上がりである。

なもんだから、ぱっとみで「こんなもんでOKだろう」と判断し、「サンマの修正あがりました〜」と声をかけると「ありがとうございま〜す」という返事があり、さっそくその画像をQuark上で更新して出力をかけたようなので、それをみたらなにかいわれるかもと思ってしばらく待っていたのだが、なにもいわれなかったので、「ふっ、楽勝だな」などと思いつつ、「今日もいい仕事をしてしまった……」と椅子に深々と身を沈めてその余韻にひたるのでありました。