あんまりにも鼻水がひどいので


同居人にうながされ、会社近くの耳鼻科に行ってきたのであります。


先生「どうしました?」

おいら「はあ、鼻水がひどくって……それとのどの痛みも……」

先生「一番我慢できない症状はなんですか?」

おいら「うーん、のどの痛みですかね……」

先生「鼻がつまってぐっすり眠れないとかってことはないですか?」

おいら「そうですねえ、いまのところ眠るぶんには大丈夫ですね。ただ、マスクをして眠ってますけど……」

先生「そうですか。じゃあ、ちょっとみさせてください」

おいら「はい」

先生「どーれ」

おいら「(ひづめのような器具を鼻の穴にあてがわれて強制的に顔を上にむかされ)あがが」

先生「ふむふむ……おっ!?」

おいら「……?」

先生「ちょーっと鼻に入れますよー(と、どう考えても鼻に入れるには長すぎるようにみえる綿棒のような器具を私の左の鼻の穴に無造作に突っ込む)」

おいら「あがががが(なんだかすごくむずがゆい)」

先生「うーん、誠に残念ですが……鼻茸ができてますね」

おいら「(左の鼻の穴に綿棒の長いのを突っ込まれたままで)ハナタケ……?」

先生「鼻茸って聞いたことありません?」

おいら「(むずがゆくてくしゃみがでそうなのを我慢しつつ)はあ、なんとなくは……」

先生「鼻茸っていうのは鼻腔のなかにできるキノコのことなんですが、左側の鼻腔に鼻茸ができていますね。これはかなり立派で4、5年ものですよ」

おいら「はあ」

先生「これはどこのお医者さんに行ってもいわれると思いますが……」

おいら「は」

先生「鼻茸っていうのは最終的に手術をしないと直らないので……」

おいら「は、は」

先生「まずは3ヶ月から6ヶ月間くらい通院していただいて……」

おいら「は、は、は」

先生「それから手術をするという手順に……」

おいら「はっくしょーん!!!」

先生「……なります。取りますので、まずは鼻をかんでいただいて……」

おいら「はあ、ずびません。ちーん」

先生「……来週の木曜日は休診になりますから来週の水曜日か金曜日に来てください。通院は大丈夫そうですか?」

おいら「はあ、会社が近いので通院は平気だと思いますけど……」

先生「そうですか。ではまた来週。お大事に」

この間、わずか5分くらい。

とにかく回転重視な印象は受けましたが、設備は整っていそうだし、助手の方(看護士さん? すべて女性)は4人もいるし、院内もきれいだし、なにより先生の腕がよさそう。

で、受付で「下の薬局でお薬を処方してもらってくださいねー」と処方箋をもらって診察料を払い、病院の階下にある薬局でざらざらと薬を処方されたのでありますが、その薬の量をみて、


 「おいら健康だけが取り柄なのに鼻茸ってなんだよ……。つうか、こんなに薬飲まなきゃいけないのかよ……」


と、かなりショックを受け、説明もほとんど耳に入らないまま、とぼとぼと会社に戻ったのでありました。