読み/書きの難しさ
私が幼少のころ、母がよく
「最低限、読みと書きだけはできるようにしておきなさい」
と口を酸っぱくしていっていたのであります。
当時から本を読むのが好きだった私は、その言葉を聞くたびに、
「別に読みと書きなんて簡単じゃん!」
などと思っていたのでありますが、それから20数年の月日が過ぎ、紆余曲折を経て新たな環境に身をおくことになったわけですが、つくづく日本語の読みと書きの難しさを実感しているところであります。
んまあ、一度でも物書きを志望したことがある人間であれば、自分がいいたいことを文章に書きあらわすことの難しさというのは十二分にわかっていると思います。
ただ、読みというのは、書きと違って他人と自分を比較する機会があまりないためか、その難しさというのは意外と見落としがちなのかもしれません。
というか、義務教育を受けていれば活字を音読するようになることはそれほど難しいことではないのかもしれません。
ただ、音読ができたからといって、そこに書かれている文章の内容を本当に理解しているかどうかは別の話……というか、別次元の話であります。
次元が違うということは、つまり、文章読解力が低い人は文章の内容を本当に理解しているかどうかすら本人にわかっていない可能性が高いわけです。
そして私のいままでの経験からすると、文章読解力が低い人は、理解力が乏しいためか、相手の話を聞く能力が極端に低いような気がしてなりません。
というか、相手の話を聞く能力が低いから理解する能力が乏しいのかもしれませんが、いずれにしても理解力が低いわけです。
つうか、そんな人たちとこれから一緒に仕事をしていかなくてはならないというのは先が思いやられますのう……。