日曜日に渋谷のゼクシィなびカウンターへ行ってきた


のであります。

といっても、自分から「ぜひ行こう」といった覚えはないので、「連れていかれた」という表現が正しいのでありますが、なんにせよ行ってきたのであります。

で、ビックカメラ谷東口店の隣のヒラゼン宮益ビル8Fにゼクシィなびカウンターがあるとのことで、ビックカメラ前で待ち合わせをしたのでありますが、いざ行く段になっても


 「えー、結婚式ー? だるいなあ……」


などと思いながら、彼女とエレベーターに乗りこんだのであります。

エレベーターを降りるとすぐにこじんまりとした受付カウンターがあり、さほど広くはないフロアの奥へと案内されると、低いパーテーションで区切られたテーブルが5つほどあり、彼女と2人並んで着席したのであります。

で、簡単なアンケートを書かされたのですが、予約した時間より10分ほど早めに行ってしまったせいか、アンケートを書き終わったあとも10分ほど待たされ、その待ち時間もだるさに拍車をかけるわけです。


 「ああ、なんにもしていないけど疲れた……」


という態度をはしばしに出しつつ、担当のコーディネーターの女性(肩書きはチーフ)が現れて「お待ちして申し訳ございません」といいながら席に着き、アンケート用紙の回答をもとに「どのような式をご希望ですか?」とあれこれ私たちに聞いてきても、彼女に返答を任せて、私はほぼ無言でいたのであります。

つうか、「私は結婚式あげたいし、みんなにもちゃんと報告したいんだけど、どうする?」という話になると、いつも私がはぐらかしていたので、「会場はどういう形にしたい」とか「ああしたい」とか「こうしたい」といったような要望がまったくないまま、ゼクシィなびカウンターに来てしまい、正直ビジョンがまったくないまま相談に臨んでいるので、私には答えようにも答えられないのであります。

むろん彼女には漠然とした希望はあるにはありますが、「だからどうすればいいのか」といった答えが私たち二人ともお互いにないものですから、コーディネーターの方の質問に対しても、彼女がただ「お金をあまりかけたくない」とか「小さな結婚式にしたい」といった漠然とした希望を述べるだけで、相談にすらならないわけです。

にもかかわらず、コーディネーターの方はまるで小学生に質問をしているかのように粘り強く、しかもあんまりにも漠然としていて形もなにもないところから彼女の要望を聞きだし、私たちにもわかりやすい形にして条件にマッチする会場をピックアップしてくれたのであります。

そして私は「ああ、不毛な会話だなあ」などと思いつつ、まるで他人事のように二人のやりとりを聞いていたのでありますが、いくら商売とはいえなにもないところから要望をはっきりと形にしてくれたコーディネーターの女性の忍耐と粘り強さと態度に感銘を受け、その後は態度を改め、積極的にコミュニケーションを取ったのであります。

というか、彼女がコーディネーターの方と直接話すよりも、私が彼女の話を聞いたうえでコーディネーターの方にその要望を伝えたほうが話が10倍速かったのであります。

とはいえ、コーディネーターの方が彼女の要望を形にしてくれたおかげで、私とコーディネーターの方との会話が成立するようになったわけで、いくら結婚しようとしている相手とはいえ、私はお金をもらってもそんなことをする気はさらさらなかったので、それだけでもゼクシィなびカウンターを訪れた甲斐はありました。

私が思うにたぶん担当してくれたコーディネーターの方(チーフ)がすごいのだと思いますが、私は実際に連れて行かれるまでは、「ゼクシィなびカウンターとかいって、どうせ宣伝とか商業的な話ししかしないんでしょ」などとなめていましたが、ここはすごいです。



 「ゼクシィなびカウンターおそるべし……」


世の中、商売だけじゃありません。