キャンプ2日目
つうか、初日はテニスをしている時間よりも酒を飲んでいる時間のほうが圧倒的に長かったわけですが、さすがのコーチも朝起きることができず、ぐっすりと眠りこけていたのであります。
なもんで、いくら起こしても起きないコーチをほっといて朝食を食べに行き、食べる速度の遅い私が食べ終わって部屋に帰ってきても起きる気配のないコーチ2人に
「お二人とも仕事の時間ですよ!!」
と大きな声で声をかけるとむっくりと起きだし、
「あさめしは?」
と聞かれたので、
「もう時間ですけど、ぎりぎり間に合うかもしれないです」
「風呂は?」
「9時30分までです」
「テニスは?」
「8時30分からです。でもチェックアウトが10時30分ですからテニスに行くときには荷物を全部持って出ないとまずいです」
「ああ、そうね……」
「ボクはとりあえずお風呂に行きます」
「オレもあさめしはいいんで、風呂に行きます」
「じゃあ、オレも風呂に行くか」
と朝っぱらからぐだぐだなはじまりだったのであります。
ですが、さすがテニスコーチは体力があるというか、私は足がだるいうえに二日酔いで力も入らないしで「ああ、だるいなあ」なんて思いながら、ふらふらとボールを打っていたのでありますが、コーチ2人は購入してきた酒を飲みつくし、ついさっき眠ったのがなんでもなかったかのようにレッスンを行っているのであります。
「……なんでテニスコーチってあんなにムダに体力あるのかなあ」
と思いながらも、だからといってもっと体力をつけたいとは決して思わなかったのでありました。