はっちゃけコジー
ここのところ、コジローが妙に活発になってきたのであります。
例年と比べて今年は季節のわりにあまり暖かくならなかったせいか、ごはんを食べるとき以外はほとんど眠っているか、ごろごろして過ごしていたのです。
ですから、深夜かまわず「オキテアソベ」とか「ハラヘッタ」と私の枕元に襲撃をしに来ることもなく、「コジーはいい子だねー」と言い聞かせながら平穏な夜を過ごしていたのでありました。
ところが、ここのところ夜中や早朝に起きだして私の枕元をうろうろと何度も往復しては私の額に爪を立てたり、顔を踏んづけたりして、とにかく「オキロ」という催促をするようになったのです。
「……いてっ! うーん、なんだよ……」
「ニャー(オキロ)」
「え? もう朝かよ……って、まだ4時じゃん、なんだよコジロー」
「ニャー(アソベ)」
「こちとら、ついさっき眠ったばかりだっつーの。向こうに行って一人で遊んでなさい」
「ニャー(トニカク、オキロ)」
「ボクは眠いんだっつーの。あなたももう寝なさい」
「ニャーン(ジャア、ニボシヨコセ)」
「寝る前にあげたでしょ」
「ニャーン(ジャアナンデモイイカラ、タベルモノヨコセ)」
「ダーメ、はやく寝なさい。ボクはもう寝ます」
「ニャー! ニャー!(ハヤクオキロ! ニボシヨコセ!)」
「かんべんしてくれ……」
私が起きているときにはぐっすりと眠りにつき、私が眠りにつくと起きだして「オキロ、アソベ」と催促をするこの動物はなんて因果な生き物なのでありましょうか……。