テニスをするうえで存在する3つの敵


ある日曜日に私がテニススクールに行ったときのコーチのお話。


 コーチ:「みなさん、私たちがテニスをするうえで3つの敵がいるのをご存じですか?」

 みんな:「……?」

 コーチ:「わかる人!」

 みんな:「……(シーン)」

 コーチ:「じゃあ……Bさん!」

 Bさん:「えっ? 敵?」

 コーチ:「そう、敵! いますよね?」

 Bさん:「ダブルスでもシングルでも?」

 コーチ:「そう! ダブルスでもシングルでも!」

 Bさん:「……えーと、じゃあまずは対戦相手」

 コーチ:「はい、対戦相手」

 Bさん:「えーと、次は……」

 コーチ:「はい次は」

 Bさん:「審判」

 コーチ:「はい、審判」

 Bさん:「えー、最後は……」

 コーチ:「最後は?」

 Bさん:「パートナー」

 コーチ:「はい、パートナー」

 みんな:「(小声でくすくすと笑いながら)パートナーはないでしょ、パートナーは」

 コーチ:「えー、Bさんの3つの敵は対戦相手、審判、パートナーでいいですね?」

 Bさん:「はい」

 コーチ:「はい、じゃあブッブー。ぜんぶハズレ!」

 みんな:「ハハハハ」

 コーチ:「えー、じゃあみなさん覚えておいてくださいね。テニスの3つの敵というのは、まず最初の敵はネット。ネットを越えないと相手のコートにボールは入りません。次にベースライン。ネットを越えても今度はベースラインをオーバーしてしまうとやっぱりボールはコートに入りません。そして最後がサイドライン。アングルはエースを取りやすいですが、サイドに打つのはアウトにもなりやすいリスキーなショットだということを覚えておいてください」

 みんな:「はーい」

 コーチ:「まず初心者の人はボールがネットを越えるように、次に中級の人はボールがベースラインぎりぎりに打てるように、最後に上級の人はサイドラインぎりぎりにボールを打てるように練習をしていくともっともっと上手になれますから意識して打てるように練習していってください。本日は以上です。どうもおつかれさまでした」

 みんな:「ありがとうございました」


自分のパートナーが敵というのはあながちまちがいではないような気もする今日この頃……。