[就職活動]ビルを探して三千里


で,私が面接に向かったのは東京内神田にある会社なのだが,実はこの会社,某I社がもとあった場所のすぐ近くにあり,


 あのへんは知らない場所じゃないから,走ればなんとか間に合うだろう


とたかをくくって,大手町に着いたときに「電車が遅れたのでちょっと遅れます」という連絡をしなかったのである.

だがしかし,私のそんな思惑とは裏腹に,前もってアタリをつけておいたあたりに着いたものの,お目当てのビルがいくらまわりを見渡してもまったく見あたらない.


 おいおい,どうなってんの!?


と住所から所在地はなんとなくわかるものの,そのあたりに目的のビルが見あたらないので,道行く人に手当たり次第に聞いてみるもさっぱりわからず,仕方がないので電話をして場所を聞こうと思ったら,電話番号を書いたメモが見あたらない.


 なんじゃこりゃあ〜〜!!


と,もうどうしようもないので某I社がもとあったシマを中心に手当たり次第に走り回ったのだが,なかばやけになって必死に駆けずり回ったにもかかわらず,会社どころかビルすらみつかる気配がない.

なもんで,


 もう帰っちゃおうかな……


と思い始めたちょうどそのとき,一番最初に歩いて来た道の右手のちょっと引っ込んだところにそのビルを発見したのが9時39分.

というか,自社ビルなのにビルの外面に社名やビル名がなんにもみあたらず,ただ入り口近くに会社名とビル名が書かれた看板があるのみで,しかもビル自体が引っ込んでいるのに,なおかつその看板が奥に引っ込んでいるので,


 つうか,すぐにみてわかるようにビルに看板くらい出しとけや!!


と,思わずブチ切れしそうだったのだが,そこにたどり着くまでにむやみに走り回ったせいでとても疲れていたので,そんな元気はさらさらなかったのはいうまでもない.

で,受付に置いてある電話から総務の担当の人に「遅れました,すいません」という電話をしたのが9時40分.


 ……面接にこんなに遅れたのはうまれて初めてだよ.こりゃ,もうダメだな


と個室に案内されながら,「次はどうしたもんかなあ」と頭のなかですでに次の算段を立てはじめていたのであった…….