上大岡・9時〜13時


先週の日曜日は久しぶりに上大岡のテニスに行って来たのである.

というのも,最近は土曜,日曜と仕事が入ることが多いので,さすがに徹夜明けでテニスに行く気がせず,上大岡のテニスはすっかりごぶさたしていたのだが,今回はいつもテニスコートを取ってくれている主催者というか世話役の方が,このたびインターネット回線をISDNからADSLにしたのだが,簡単設定CDとやらを使ってインターネットに接続することはできるようになったものの,メールのやり取りができないのでなんとかしてほしいという要請で,きゅうきょサポートをかねてテニスに行ってきたのである.

実をいうとこのお宅には「急にメールが受け取れなくなった」とか「プリンタが壊れた」とか「プリンタを複数のPCで共有したい」などという問題や要望が起きるたびに呼ばれ,テニスをやったあとにビールを飲みつつ,まずは私が現状を確認し,その後に私のほうから「この場合にはこうしたほうがいいと思います」という提案をして,さらに実際に使う家族のみなさんにその際の注意点やメリット,デメリットの説明をし,全員の承諾を得てからサポートにあたるというのが常なのである.

で,さらに実をいうとこのお宅の主人(仮にS川さんとしよう)にはずいぶん前から「今度(ISDN回線から)ほかの回線に変えようと思うんだけど,ADSLと光だったらどっちのほうがいいかなあ?」という相談を受けていたのである.

だもんで,私はそのたびにADSLと光のメリットとデメリットを何度も何度も説明し,「これが借家とかどこかに引っ越す予定があるならともかく,S川さんの家は持ち家じゃないですか? そうなれば導入するなら絶対に光ですよ」といい続けてきたのだが,今回なぜかADSLを導入したらしい.

ま,個人の自由なので別にどうでもいいのだけれども,「だったら最初から聞くなよ」などと思ったり,たしか前にもお薦めのPCを教えてくれっていわれたから,格安のPCを一生懸命探してメールしてあげたらその3日後に「やっぱりNECのバリュースターにしました」とかいわれたりする私はまだまだ修行が足りないのか? などと思いつつ,恐い物みたさというか,知的好奇心を満たすためにまたもやノコノコと行ってきたのである.

で,まずはインターネットにつなぐための設定をしたS川さんに事情を聞き,続いてメーラーのアカウントを開いて設定を確認してみるも特におかしな部分はない.


「いま確認してみたかぎりだと特に問題はないみたいなんですけど……」

S川「そうでしょう,そうでしょう(やや勝ち誇ったような態度)」

S川さんの奥様「でも,メールが来ないのよ」

「う〜ん,でもこの設定の書かれた紙のとおりですしねえ…….あれ?」

S川「ん? なにかおかしなところあった?」

「そういえばこれって手書きですよね? 誰が書いたんですか……?」

S川「俺」

「え? じゃあ,S川さんはなにをみてこれを書いたんですか?」

S川「ん? 設定画面」

「え? 設定画面ってなんの設定画面ですか?」

S川「うん? この簡単設定CDの設定画面」

「……ああ,そうですか.ちなみに書き間違いとかっていうのはないですよね?」

S川「何度も確認して書き写したから書き間違いはないと思うけど」

「う〜ん,そうなるとほかにあやしいところというと……」

奥様「お父さんのことだから絶対になにか間違ってるのよ」

S川「お前は黙ってなさい」

「じゃあ,この@の次のsun(サブドメイン)っていうのはどうしたんですか?」

S川「ああ,俺が選んだ」

「え? これって好きなのを選べるようになってたんですか?」

S川「うん,あの三角のやつあるじゃん? あのなかから選んだ」

「三角のやつ? ……ああ,プルダウンできたってことですね.ようはそのなかから選択できたってことですね?」

S川「うん,そう」

「……でも,好きな文字を選べるにしてもsunっていう単語が選べたっていうのはちょっと引っ掛かりますねえ」

S川「だって選べたんだもん」

「じゃあ,このsun以外にほかにあった文字って覚えてます?」

S川「ううん」

「え? なんにも覚えてないってことですか?」

S川「ううん.だって,俺が入力したんだもん」

「へ? なにを?」

S川「sun」

「……」

S川「いやさ,メールの設定画面で@の後ろが***ってなってたから,じゃあsunにしておこうかなって……」

「……じゃあ,もう一度確認させてもらいますけど,このsunっていうのはS川さんが自分で入力したんですね?」

S川「ああ,そう.これは自分の好きな文字を入力しろってことだと思ってsunって入力したんだよ」

奥様「あ〜も〜,お父さんは勝手なことするから〜〜」

S川「だって,3文字分あいてたら自分の好きな文字を入力してもいいって思うじゃん」

「……まあまあ.メールが送れない原因はこれですね.とにかく原因がわかってよかったじゃないですか」

S川「とりあえずどうすればいい?」

「じゃあ,僕と一緒にもう一回,画面を確認しながら設定し直しましょう」

奥様「totsugeki君に来てもらってよかったね,お父さん」

S川「いやあ〜,ホント助かったよ.俺だけだったら絶対に原因なんかわからなかったもんなあ〜」

「いやあ,原因がわかってホントよかったですよ.ハハハハハハハ」


……などといってはみたものの,実はそんなことだろうと思っていたのである.


 つうか,プルダウンできたっていうのは自分の頭のなかでだけかい!! 嘘ついてどうすんじゃい!?


と思いっきり突っ込んでやりたかったのだが,さすがにそれは大人げなかったので我慢した.

そして,このエントリーの結論はこれまた個人的な事情により,次のエントリーへと続く.