[テニス]スクールに入会する
さて,急に中級のBクラスに飛び入り参加することになったのだが,気になるクラスの顔ぶれというのはさきほどの体験スクールにいたみなさんのなかの数人がそのままシフトしてきていたのだが,さきほどの体験スクールのときにコーチに球出しをされたボールを打つのをみていて,
「うぇ? バックボレーもまともに打てないような人たちがBクラスなの!?」
といぶかしんでいたのである.
というのもクラス分けとしては上級・中級B・中級Cとあり,さきほどのコマというのは一応中級になるのだが,コーチの説明によるといわゆるウォームアップという位置づけになっており,上級の人も中級の人もここでウォームアップをし,その次のコマでめいめいのレベルに別れるということらしい.
まあ,いくらレッスンを受けても定額だからな
と頭のなかではわかってはいるものの,まわりにどうみても「センスを感じない」というか「美しくない」打ち方しかできない人たちばかりでは,自分の技術の上達は望めない.
というのも,そもそもなんで私がこんなにレベルを気にするのかというと,自分がテニスが上手くなるためには自分より上手い人とテニスをするのが一番手っ取り早いのである.
それというのはどこぞのサークルにプライベートで参加したとしても上手い人とテニスをする機会はたくさんあるのだが,もし私が
「このサークルはテニスが上手い人が多いから,なるべく積極的に来て相手をしてもらおう」
と思っていたとしても,当の本人(私が上手いと思っている)は私同様に
「自分より上手い人とテニスがしたい」
と思っているわけで,もしかしたら
「このサークルはテニスが下手な人ばかりだから,来るのよそう」
とか
「今度からもっと上手い人がいるところに行こう」
と思っている可能性が高いのである.
ということは,短期間で上達するには上手な人たちばかりとテニスをする必要があり,そのためには上手な人たちのいるところにお金を払ってでも行くしか方法がないのである.
ま,ようはサークルなどでコート代くらいしかお金がかからないのであれば下手な人もいても許せるが,ちゃんとお金を払ってまでスクールに行くのであれば自分より上手な人としかやりたくないというわけである.
なもんで,内心
「コーチはうまいのはわかったけど,この(中級のBクラス)人たちがたいしたことがなかったらスクールに入会するのはよそう」
と思っていたのである.
で,レッスンはほとんど実践形式というかゲーム形式で進行したのだが,バックボレーもちゃんとしたフォームで打てない人たちとゲームをした結果,手も足も出ずに完敗したのである.
つうか,みなさんフォームはめちゃくちゃなのだけれども,きびしいボールでもミスなくちゃんとつないでくるし,甘いボールはきちんと決めてくるしで,逆にこっちがボールがつなぐのが精一杯どころかちょっと甘いボールを打つと決められ,きびしいボールを打たされてミスをするという悪循環.
いや,決して彼らがうまいというわけではない.現に球出しされたボールを打つのも決してかっこうがいいとはいえない.というか,絶対に真似をしたくないくらいかっこうわるい.
ただ,みなさんゲームになるとめちゃ強いのである.というのもフォームが自己流というか癖があるからどこに打ってくるかまったく読めないのである.にもかかわらず,ちゃんとコースを狙って打ってくるのであるな.
「……うそぉん,いくらブランクがあるからってこんなはずでは……」
とかなりがっくりきたのだが,自分がみくびっていた人たちに手も足も出なかったことに対して生来の負けん気がむくむくとわき上がり,がぜんやる気が出てきたのであった.
コーチ「totsugekiさん,どうでした?」
私「はい,手も足も出ませんでした」
コーチ「まあ,みなさん毎回来られてますからね」
私「いやあ,みなさんものすごい強いですよね」
コーチ「ははは,このスクールは実践重視ですからね」
私「それにみなさん癖があるからどこに打ってくるか全然わからないんですよね〜」
コーチ「いやあ,ここでもちょっともまれていればそのうち慣れますよ」
私「そうですかね?」
コーチ「ええ,totsugekiさんくらいの実力があればすぐですよ」
私「(……すごい営業トークだな)そうですかねえ?」
コーチ「はい,私が保証します」
私「そういっていただけるとありがたいです」
コーチ「……どうされます?」
私「はい,もちろん入会させていただきます」
コーチ「そうですか!! ありがとうございます!!」
スクール生のなかに手本になるような人がいないのはちょっと引っかかるが,コーチの人たちは文句なくうまいし,ここに来れば無条件でテニスができるわけだから,そのくらいは目をつぶらないとね.それに取ろうと思えば1週間で最大12コマ取れるわけだからコストパフォーマンスは最高だし,背に腹は変えられませぬ.
ま,それに最初から入会するつもりでお金も持ってきたことだし.
そして体験スクールが終わったその足で入会の手続きをしたのであった.