[テニス]体験スクールを体験する


開始時間3分前にかんぽレクセンターに着き,息を切らせながら受付をすますと,3番コートに行けといわれたので,あたりをきょろきょろしながら3番コートに向かうと,そこには色とりどりのテニスウェアを着た人がざっと30人ほど集まっており,


 「うぇ? こんなに人がいるの?」


と思わずびっくりするくらい人があふれていたのである(あとになって月曜日のこのコマは参加する人が多いという事実が判明した).

で,気になる顔ぶれはおじさんとおばさんが2:8の割合で「世の中にはけっこうヒマな人っているんだな」と勝手に思ったりしたのだが,よく考えたら自営業や夜間に仕事をしている人もいるわけで,別にヒマをもてあましているというわけではなく,しかもわざわざお金を払ってテニススクールに来るくらいだから,基本的にスクールに来る人たちというのはテニスが大好きで仕方がない人たちらしいのだが,それがわかるのはまたあとの話.

ざっとみたところ,スクールでは1,2,3番コートを使うようなのだが,どうやらいくら人数が多くても1コートにコーチは1人らしく(つうか,コーチが3人しかいないようだ),3番コートには30人ほどがわさわさとたむろしているにもかかわらず,誰もそんなことを気にするふうでもない・

で,まずは最初にみんなでストレッチをしてから出欠を取り,次にコーチの合図でショートラリー,ボレーボレー,ハイボレーとアップをし,続いてコーチが球出しをしてくれるボールをフォアハンド,バックハンドストロークで打ち,次はボレーで同様にフォア,バックと打つ.


 つうか,これすごい人数だよ.こんなんでどうやってテニス教えてもらうの?


と一抹の不安に駆られつつ,球出しのボールにもかかわらずボールがちゃんとスイートスポットに当たらないので非常にもどかしい思いをしていたのだが,最初にコーチから


 「じゃあ,今回はtotsugekiさんのレベルをみさせてもらいます.なにか気がついたことがあったらこちらからいいますね」


といわれていたのを思い出したのだが,よく考えたらこんなに人がいたらそんなヒマはないということに気がついた.

なもんで,


 「あ〜,も〜,ボールがちゃんと当たらねえ〜」


と球出しされたボールをネットにかけたり,はるかにオーバーしたりというようなことを繰り返し,「ボールをちゃんとみていないからスポットに当たらないんだよ!!」と頭のなかではボールをよくみて打つというのはわかっているものの,体がついてこないのでもんもんとしていると,今度は一方がネット際でボレー,反対側はストロークでつなぐという練習になり,


 「じゃあ,totsugekiさんの相手は私がさせてもらいますね」


と,コーチがストローク,私がボレーに入り,


 「往復30回で1セットですので,ボレー側が回数を数えてください」


といわれてスタートしたのだが(巷ではこれをボレストと略すらしい),始める前にストレートにボールを打つように心掛けてくださいといわれたので意識はしていたものの,いまだに勘の戻らない私がボールを打つとあっちゃこっちゃに行ってしまうのだが,コーチはそんなボールでもミスすることなく私の打ちやすいところにボールを返してきてくれるので,はじめたと思ったらあっというまに30回になってしまい,逆にコーチから


 「totsugekiさん,もう30回はとっくに過ぎましたよね?」


といわれ,


 「はい,ずいぶん前に往復30回になってました」


と5分と経たずに終わってしまったのだが,


 う〜む,さすがにコーチはうまい


と感心したのである.そして体験スクールが終了して,


 コーチ「totsugekiさん,どうでしたか?」

 「ええ,悪くはなかったです」

 コーチ「そうですか.いま入会費無料のキャンペーン中ですから,この機会にぜひ入会してください!!」

 「あ,そうなんですか.ただ,このあとの上級のクラスをみせてもらってから入会するかどうか決めたいんですけど……」

 コーチ「ああ,そうですか! じゃあ,このあとお時間はあります?」

 「え? はあ,大丈夫ですけど……」

 コーチ「じゃあ,このあとも体験していってください」

 「え? いいんですか?」

 コーチ「ええ,けっこうですよ.う〜んと,じゃあtotsugekiさんはまずは中級のBからはじめてみてください」

 「はい,わかりました」


という会話があり,期せずして次のコマも受けられることになったのだが,中級のBというのはどの程度のレベルなのか?

それが問題である.