[テニス]はしごテニス


本日は9時〜12時までが赤羽にある北区桐ヶ丘体育館,そして13時〜17時までが足立区竹の塚六号公園というハードスケジュールである.


 「あいだに1時間あればなんとか間に合いそうだな」


と乗り換え案内で綿密な乗り換えのスケジューリングをしたうえで参加を申し込んだのだが,実は問題はそこではなかったのである.

本当の問題は


 「お前,そのぽっちゃりした体で7時間もテニスができるのか?」


ということであり,なんでそんなことをしようと思ったのかはいまでもよくわからないのだが,申し込みをしてしまった以上は行かねばならない.

だが,前日K主任と夜遅くまで酒を飲んでビリヤードをしていたので,起きたらいきなり自宅を出ないといけない時間を過ぎていたのである.なもんで,あわてて支度をして駅までダッシュしていたのだが,途中なんだかやけに人が多いことに気がついた.


 「ん? 今日は土曜日なのになんでこんなに人がいるのだろう?」


といぶかしみながら駅に着くと,ぞろぞろとこれから出勤されるであろう人たちがホームのなかを歩いていたのである.


 「おいおい,今日ってもしかして平日!?」


8時40分に赤羽駅にいないといけないということは,8時には最寄りの駅から電車に乗らないといけないわけだが,この時間帯はちょうど通勤ラッシュなんである.

なもんで,いままで会社に行っているときでさえ乗ったことがないくらい混雑している電車にラケットとバックパックを抱えて乗り込み,電車がゆれるたびにぎゅうぎゅうと押されながら,渋谷で苦労しつつもなんとか電車を降りて埼京線に乗り換えようとしたのだが,渋谷の山の手線のホームがこれまたものすごい混雑でのろのろとしか前に進むことができない.


 「いや,自分遅刻しそうなんですけど!!」


と,人混みを押し分けて埼京線までの長い通路をこれまたダッシュでプラットフォームまで走り,埼京線にぎりぎりで乗り込んだころにはすでにへとへとであった.

そしてまたもや,赤羽に着くなりダッシュでコートに向かい,なんとか時間には間に合ったものの,主催者の到着が遅れたために寒いなか15分ほどぼけーっと待っていたのだが,これならちょっとくらい遅れても別によかったと思ったりもした.

で,テニスをはじめる前からすでに足がガクガクしていたのだが,それでも3時間みっちりとバックハンドをメインで練習をさせてもらい,ちょっぴりうまくなったような気がしていた.だが,2時間が経過するころにはヒザがかくかくと笑っており,「大丈夫かな」と思いながらなんとかしのいでいるうちに時間となり,主催者と参加されたみなさんにお礼をいいながらすぐに赤羽駅に向かい,今度は一路竹の塚に向かう.

ここからは乗り換え案内で検索した時間どおりの電車に乗れたので竹の塚には時間どおりにちゃんと着き,軽くアップをしてひたすらダブルスをする.体力がなくなってきたために途中でサーブを打つのがかなりしんどくなったが,それでも比較的力のいらないスライスサーブなどでごまかしつつ,4時間を乗り切る.

「いやあ〜,これは明日はひどい筋肉痛だな」と思ったのだが,自宅に帰る電車のなかではそれほど疲れも感じず,


 「お! これまで体を酷使してきた成果が出たのか!?」


などと考えていたのだが,これはたんに体を動かしすぎて感覚がマヒしていたに過ぎなかったのである.そしてその事実に気がつくのは次の日の朝なのであった…….