[会社]月刊誌チームの3人で昼食に出かける


 E代「さあ、行きましょう!」

 H部「はい」

 「はあ」

 E代「どこがいいですか? 中華? 和食?」

 「ボクは別においしければどこでもいいですけど……」

 H部「え〜、私も」

 E代「じゃあ、紅虎(べにとら)にしましょうか。シエンでもいいけど」

 H部「紅虎って中華ですか?」

 E代「ええ、そうよ」

 「そこはおいしいんですか?」

 E代「う〜ん? ふつうかなあ……」

 「このへんで一番おいしいところっていったらどこらへんですかね?」

 E代「う〜ん、あんまりいいところってないのよね」

 「じゃあ、菩提樹とかどうですか?」

 E代「え? あそこがいいの? いいわよ。じゃあそこにしましょう」

 H部「あっ、あのっ、すいません」

 E代「え? どうしたの?」

 H部「私、お金ないんで銀行に行って来てもいいですか?」

 E代「え? お金なら私が持ってるから大丈夫よ」

 H部「いえっ、そういうわけにはいかないんで!」

 E代「あら、そう? じゃあ菩提樹は混んでいるかもしれないから、かつ吉のほうに行ってるから」

 H部「はいっ、わかりました。かつ吉ですね! じゃあちょっと行って来ます!!」

 「……H部さんって……、絶望的に間が悪いですよね」

 E代「……ええ、そうね。でも、あれが彼女のキャラクターだから……」

 「……そうっすね」


で、そのせいで注文が遅くなり、食事が出てくるのに時間がかかったことも重なって、食事の途中で休み時間が残りわずかとなってしまい、あわててかきこんでそのうえ小走りで会社に帰ってくるはめになったのはみなさまのご想像どおりである。

まあ、間が悪い人ってどこにでもいますよね。どこにでも……。