[組版]できあがったものをみて文句をいうのは素人である
まあ、そりゃそうだよね。だって、できあがったものをみて文句をいうなんていうのは誰でもできるもの。
だから、なんの指定もない原稿が入稿してきたときに、私が
「これ、どうするんですか?」
とE代に聞いたら、
「指定がないから適当に組んでおいてください」
といわれたので、それなり(私がよいと思われるふう)に組版してやったのである。
で、その校正紙を営業(お使い)に客先に持って行かせたら、
「こんな組版をして、君たちは素人か〜!!」
と自称玄人編集者気取りのおっさん(こちらを参照)に怒鳴られたといってすごすごと帰ってきたうえに、E代に向かってなにやらぶつぶつと文句をいっている。そしてその挙げ句、私たちに向かって
「うちって指定がないとこんな簡単な組版もできないんですか?」
などといわれた日にゃあ、
「てめえ!! ふざけたこといってんじゃねえ!! それでも印刷所の営業か!!」
とマジ切れしそうになったのだが、そこはぐっとこらえて
「いや、組版っていうのは指定がないと組めないものなんですよ〜」
と諭すように説明してやったら、
「……ふ〜ん、そうなんですか〜」
と、私のいったことを信じていないどころか、あからさまに「あんたたちのせいで私が怒られたのよ!!」という態度がみえみえだったので、
「お前は社内の人間を信じないで誰を信じるのだ?」
と思いつつ、
「あの〜、申し訳ないんですけど、今度お客さんから原稿を受け取ったときに指定がなかったら、どういうふうに組めばいいのか確認していただけると助かるんですけど」
といったら、
「え? 私が聞くの? そんなのムリ!!」
なんていっちゃっているので、
「う〜ん、それだったらお客さんのところに校正を持っていく前にあらかじめ原稿と校正に目を通してもらうしかないと思いますよ」
といったら、
「いえ、私はオペレータのみなさんを信用していますんで、そんなことは一切しません!!」
などと宣っていたのだが、ついさっきのやりとりでお前は自社のオペレータをこれっぽっちも信じていないのがバレバレだっつーの。
まあ、別に当社の営業のことはどうでもいいのだけれども、できあがったものに対して「ここはこういうふうにしたかったんだよね〜」とか「ふつう、ここはこうじゃない?」とかいうのは、それを作ったほうからすれば
「お前らガタガタと文句ばっかりいってないで、だったらそういうふうに指定しろよ!!」
となるわけで、そんなことしか口にしない編集者とかデザイナーとかいうのは素人もいいところなんである。
私が思うに、できあがりをイメージして誰がやってもそのとおりになる指定ができるのがプロってものだと思うのだが、そんなことはないですかね?