[blog]「教えるってことはむずかしい」にご返事(その1)
本日のエントリーは先日いただいたトラックバックへのご返事。
e493の日記:教えるってことはむずかしい
■[life][work]考えることを教えるのはさらに難しい
http://d.hatena.ne.jp/e493/20051128
まずはこちらのKQZさんのblogを読んでいただきたい。
エレベーターロジックと公徳心のない輩: KQZ on authentic
http://www.authenticbar.com/kqz/days/archives/001139.html
これに対してe493さんは
これ、たぶん簡単なことではないと思います。少なくとも自分は感覚(直感?)として、車椅子用ボタンは押さないかもしれませんが、上記の原理を理解してとか考えた上で押さないわけではない。
考えないとわからないかもしれないが、考えてもわからない人もいるのではないでしょうかと思ったしだいです。これを教えるのは難しい(考えよと教えることも、どう考えるかっていうのもちょっと高度です)。
とおっしゃられているわけですが、私が思うに一般常識を備えているであろう善良なみなさんがエレベーターを待っていて「なかなか来ないなあ」と思いつつ、なぜ車椅子用ボタンを押さないかというと、
「自分がどんなに急いでいたとしても車椅子用ボタンは押してはいけない。なぜならこのボタンは車椅子の方のためのボタンだから」
ということを十分に理解しているからだと思うのです。
それこそがKQZさんのおっしゃっている公徳心であり、自分が一刻も早くエレベーターに乗りたいからといって普通の呼び出しボタンだけではあきたらず、車椅子用ボタンまで押してしまうような輩は、とても急いでいようがなかろうが、悪気があろうがなかろうが、エレベーターロジックを知っていようがいまいが、結果として公徳心のない輩だと思われても仕方がないと思うのです。
むろん緊急の場合(たとえば誰かが大けがをしたとか)であれば、誰かが気を利かして車椅子用ボタンを押してエレベーターを呼んだとしても「お前には公徳心がないのか!!」と責め立てるような人間はいないでしょうし、もし個人的な用事で急いでいるのであればそれはたんに階段を使えばいいだけの話だと思うのです(そのための車椅子用ボタンなわけですし)。
逆にこのエレベーターロジックを知っていてやっているのだとしたら、もっとタチが悪いわけですが、実際にこのエレベーターロジックというようなものが存在し、それによってエレベーターが動作しているのを知っているような人間というのはe493さんのおっしゃっているとおり、ほとんどいないと思います。
正直なところ、私も「へえ〜、エレベーターってそうやって動いているんか」と感心しきりだったわけですが、意外とこの事実はビルの建築や設計などにかかわっている人には常識なのかもしれません。
ですが、「ではエレベーターというのは本当にこういうロジックで動いているのか?」といわれると、私にはそれが事実なのかを確認する術がないので、KQZさんの書かれていることをまるっきり疑っているわけではありませんが、たとえば私の身内がエレベータを呼び出すのに車椅子用ボタンを押しているのをみかけたら「エレベーターっていうのはこういうロジックで〜」とはいわずに、「そこは健常者は押してはいけないボタンだよ」と注意するはずです。
それにエレベーターが八基もあるような大きな建物であれば、まさか呼び出しボタンが押されたからといって裏で誰かが操作をしていてそこの階にエレベーターを行かせているとは誰も思わないでしょうから、ちょっと考えればそのようなロジックが存在しているという結論に達するのはさほど難しくないと思います。
でも、そのちょっとも考えなかったり、そのちょっとを考えてもわからない人もいるのではないか、またそれを教えるのは難しいんだよ。
とe493さんはおっしゃっているわけですが、私にいわせてもらえばちょっとを考えてもわからないのだったら考えなくてもわかるように努力をするべきだし、ましてや自分がちょっと考えてもわからない人間だということすら自覚していないかったり、考えてはみたけど、どうせわからないからいいやと思っているような人間は、たんに
自分が無知だということを知らない自分が悪い
といわざるをえません。
というのも、まずは自分がなにを知っていてなにを知らないかがわからないとなにもはじまらないわけで、それというのは少なくとも自分自身で確認をしないといけない作業なわけです。
それはなぜかというとなにがわかってなにがわからないかなんてことは他人にわかるわけがないし、ましてやそんなことは他人から教えてもらうようなことではないだろうと思うのですけれども、いかがでしょう。
つうか、もしかして「それがマネージャの仕事なんだ〜」とか「それが仕事ができる人間の義務だ!!」なんていいませんよね?
などと牽制をしつつ、後半は次回のエントリーに続く