[会社]新入社員は心配性!?
まあ、心配のあまり血を吐いたり、髪の毛が抜けたりとかはしないから、それほど心配性でもないのかもしれないが(このネタはちと古すぎてわからない人のほうが多いかも)。
新人「あっ、あのっ、totsugekiさん、ちょっ、ちょっとよろしいですか?」
私「(なんでいつもそんなにどもるのだ?)……はい、どうぞ」
新人「ちょっ、ちょっ、この予定表なんですけど」
私「うん」
新人「こっ、これをみると12月号の下版と1月号の初校出しの日程がかぶってるじゃないですか」
私「ああ、そうだね」
新人「こっ、こんなスケジュールで大丈夫なんですか?」
私「ん? 大丈夫っていうのは?」
新人「もっ、もし校正出しとか下版が間に合わなかったらどうなるんですか?」
私「どうなるっていうか、そりゃ下版が遅れたら発行が遅れるんじゃない?」
新人「そっ、そっ、そんなことでいいんですか!?」
私「いやあ、そればっかりは向こうの都合だからねえ」
新人「でっ、でもっ、もしこっちの校正出しが間に合わなかったら……」
私「でも、いくらこっちが校正を早めに出しても、向こうから校正が戻ってこないとこっちはなにもできないよね?」
新人「そっ、それはそうですけど……」
私「……それに前にも説明したけど月刊誌っていうのは期間が短いじゃない?」
新人「はい」
私「だから、前の号の下版と校正出しがかぶるっていうのは仕方がないんだよね」
新人「はあ、そうなんですか……」
私「それに12月は年末年始の休みがあるでしょう?」
新人「はっ、はい」
私「そのぶん下版日が前にシフトしてるから、まあ12月は大変といえば大変だよね」
新人「……やっぱりそうなんですか……」
私「でも、12月も大変だけど1月はもっと大変だと思うよ」
新人「……え!? なんでですか」
私「……いや、だから年末年始の休みがあるからさ」
新人「……」
私「大丈夫? 顔色悪いよ」
新人「(真っ青な顔をしながら小声で)どうしよう、どうしよう……」
私「(なんかぶつぶつ言い始めたぞ)いや、いまはとりあえず12月号の心配をしたほうがいいと思うよ」
新人「……ぶつぶつ」
E代「あら、H部さんどうしたの? 大丈夫?」
私「いや、月刊誌のスケジュールについて話してたら急に……」
E代「ああ、あれね。あんなもの適当だから」
新人「え?」
E代「だって、あんなのそのとおりにいくわけないでしょう?」
新人「……まあ、それはそうなんですけど……」
E代「そんなもん適当よ。適当。だって私なんかそんなもの全然みてないわよ」
新人「え? そうなんですか?」
E代「だってそんな予定表なんかなくたってなんとかなるもの」
新人「え? 本当ですか?」
E代「だってそうじゃない? それにいままでだってなんとかしてきたし、これからもなんとかなるわよ」
新人「そっ、そうですよね〜!」
E代「だから、いまは12月号に集中しましょう!」
新人「はい!! わかりました!!」
……おいおい、そんなんで本当に大丈夫なのか?
と、こっちが心配したくなってしまうような会話だが、まあこれから2人でやっていくんだし、せっかく意気投合しているところに水を差すのもなんだからと思ってあえて黙っていたのだけれども、E代の
「いままでだってなんとかしてきたし、なんとかなるわよ」
っていうのは、自分の実力でどうにかするってことじゃなくて、他力本願というかいままでたまたまうまくいってたってことだと思うけれども。
それに新人のH部(忍者●●●●クンと同じ名字だ)さんもそんな先のことをいまから心配したってしょうがないし、そんなに気になるのならどうやったら短い期間で効率よく校正出しができるかを考えたほうがよっぽど建設的だと思うのだが、ま、いまさらなにもいうまい。
つうか、意味なく楽観的なE代と意味なく悲観的(というか単純?)な新人との板挟みになっている、仕事の効率をあげるために日々どうしたらいいか悩んでいる現実的な人間の気持ちなんて、少なくともこの人たちにはわからないだろうなあ。
一回でいいからこの2人に「仕事は常に科学的、合理的であれ」なんていってみたいものだが……。
……やっぱりやめておこう。