[会社]バカな会社相手だと話し合いにもなりゃしない


さて、昨日は確実に物議を醸すであろう有給休暇届けを提出したのだが、出社して席に着いても肩を叩かれたりもせず、ふだんとなんら変わりない。

……私が会社を辞めるといっているのは冗談かなにかだと思われているのだろうか?

ま、別にそう思われても私は一向にかまわないけれどもね。そんなことをして後悔するのは君たちなのだから。フッフッフ。

で、あいかわらず不規則に入稿してくる原稿を相手に初校作成に追われていると、内線を受けたドブチョーさまが「ちょっと話があるので7階の社長室に」といってきた。

私は「やっとお出でなさったか」と内心ほくそ笑み、どういうふうに話を持っていこうかなどと考えを巡らしながら、総務課長とドブチョーとエレベーターで7階の社長室に向かったのであった。

そして3人で社長室に入ると、社長がせかせかとしながら外出する準備をしており、そこに座れといわれたので3人で長テーブルにつくと、常務が遅れて入ってきて私の対面に座った。

ちなみに席順はこんな感じ。

               社長

   常務 総務課長
 ■■■■■■■■■■
 ■■■■■■■■■■
   私  ドブチョー


たかだか社員が一人辞めるだけだっていうのにずいぶんと豪華なメンバーである。

で、私が所属している部署の直属の部長である常務から(ドブチョーは本当は違う部の部長なのだけれども、なぜかこの部署にいるのである)、

 「え〜、今日の朝、課長(オバカチョーね)からこの有給休暇届けを受け取ったのだけれども、こんなものはね通用しないんだよ」

とおもむろにいわれたのである。


 「そりゃそうでしょうよ。そんなことわざわざいわれなくても知っとるわい!!」


といってやろうかと思ったのだが、ここはひとつ下手に出ることにし、まずは向こうの言い分を聞くことにする。

で、それから常務がいったことを要約すると、

「お前は退職願も出さずにこんなもの(有給休暇届け)出しやがってこの野郎。 いいか、会社っていうのは書類がないとなんにもできないんだよ。だから普通は最初に退職願を出すもんなんだよ。で、そのあとに仕事の引き継ぎとか辞める日程とかの話になるんだ。お前は順番が逆なんだよ、このトンチキめ。だから、会社を辞めたいんだったら先に退職願を出しやがれ」

とまあ、こんな感じのことをいわれたのである(注:むろんこんなふうには言ってない)。

で、私はそれを聞いて

「辞めるときっていうのは普通は最初に直属の上司に口頭でいうもんなんじゃないんですか?」

といったらば、

「普通は最初に退職願を出す」

といわれたので、

「いきなり退職願を出すのは失礼だと思ったので出さなかったんですけど」

といったら、

「そんな話、聞いたこともない」

といわれたんである。

ふ〜ん、なにが普通なのかは知らんけれども、私が読んだサイトには退職願は後に出せって書いてあったから出さなかったんだけどなあ。

転職の失敗・成功の分かれ道 第9回
http://jibun.atmarkit.co.jp/lcareer01/rensai/wakare09/wakare01.html


いや、まあどっちでもいいけどさ(って、いまよく読んだら「後」っていうのは、辞意を口頭で伝えた「すぐ後」ってことのような気がしてきた……)。

で、私が

「じゃあ、退職願を出せばいいんですね?」

と畳みかけるようにいったら、

「いや、会社っていうのはそれだけじゃ辞められないんだよ。理由がないとな、理由が。」

といわれたんである。

で、それから私のアピールタイムへ突入。

現在の仕事の体制への不満やオバカチョーがいかに無能か、さらにオバカチョーのレベルが低いことやオバカチョーの指導力のなさをいちいち指摘し、仕事への不満といいつつも実はオバカチョー批判をちくちくとしていたのだが、隣に座っているドブチョーが急に話に割り込んできて必死になって弁明してくるので、それらをうまくかわしつつ、モチベーションやらチャレンジやらという言葉を連発してケムにまきつつ、オバカチョーがいかに無能かということを言葉巧みにアピールしたのである。

で、ドブチョーは自分の妹の悪口をいわれているというのがわかって必死で弁明したらしいが(というか、妹の悪口をいわれているということだけはわかったらしい)、常務と総務課長はポカ〜ンとした顔をしていたので、私のいったことはさっぱり理解できなかったご様子。

この2人にはちょっと難しすぎたかな? と思っていたら、それまでそのへんをうろうろしながら話を聞いていた社長が急に話に割り込んできて、

「君の話はよくわかった。ようは君がいいたいのは、この会社という大きな流れのなかで自分がやっていることの重要性がよくみえてこないから不満なんだろう? 君が担当している月刊誌の重要性を私から君たちには直接話していないしな。よし、じゃあこれから私は出かけないとならないのでゆっくりと話もしていられないから、また話し合いの機会をもとう。な、君たち(常務と総務課長とドブチョーね)それでいいだろう? 君たちと課長もまじえてみんなでじっくりと話し合えばいいじゃないか」

と宣ったのである。

でも、私はそんなことをいくらされても会社に残る気はなかったので「お言葉はありがたいんですけど……」といいかけたら、常務に

「はい、そうですね。じゃあ、そうしましょう」

と遮られ、続けて

 常務「よし、じゃあ今度の金曜日(9月2日)の5時に課長とMacチーム全員を集めて話し合いをしよう。そのときにじっくり話し合って、いまの体制に問題点があれば直して、それから1か月くらい様子をみて、また問題が起きたら話し合って直せばいいじゃないか。なあ、totsugeki?」

 「いや、もし体制が変わっても私はやる気ないんで」

 常務「まあ、そういうなよtotsugeki。お前ふだんは意見をいわないけど今度はちゃんとお前の意見をいえよな」

 「というか、ふつうそういう話し合いって日常的にやるもんなんじゃないんですか? こんな特別な形で話し合ったって意味が……」

 常務「よし、話し合いだ、話し合い。もし時間内に終わらなかったらビールでも飲みながら腹を割って話せば問題ないだろ」

 「……」


 ……な〜にが問題ないだ。人の話なんか聞いちゃいねえ。


そして社長が最後に


 「よし、それじゃそれで決まりだな。私もスケジュールを調整しておくようにしておこう。でも話を聞いていて思ったんだが、君は意外と頭がいいんだなあ。ハハハハハ」


といって、出かけていったのだが、


 意外はよけいだ!!


とすばやく突っ込もうと思ったのはみなさんの想像に難くない。

つうか、会社にこれっぽっちも期待なんてしてないんだから話し合いなんてしたってムダなんだよ。いくら待遇がよくなろうがこんなバカな会社にいる気なんてさらさらないんだからさ。

……ん? でも、ちょっと待てよ。

私が会社を辞めるっていったら話し合いをしようというふうになったということは、もしドブチョーとオバカチョーを辞めさせてくれたら会社に残ってもいいというふうに条件を出したら会社はどうするのだろうか?

ようは私かドブチョー+オバカチョーのどちらを取るかの選択になるわけだが、こいつらはちょっと挑発しただけでムキになって弁明してくるから、社長や常務のいる話し合いの席でドブチョー+オバカチョーのおバカっぷりを最大限に発揮させたらかなりおもしろいことになりそうだぞ……。

まあ結果は分かりきっているけれども(社長はとても寛大な人なのだ)、そもそも私は最初から交渉なんかする気はないのだから、話し合いの場に出てもなんの意味もないのだけれども、これは楽しくなりそうだぞ(ニヤリ)。

最初の予定だとやつらをちょっと追い込んでやろうくらいしか考えてなかったが、これはやつらの断罪裁判になりそうだな。フフフ。