はだかの王様
先日、社長にばれてしまったのである。
え? なにがって?
そりゃあ、いままでの悪行の数々である。
聞いた話によると、私のいる部署に入った社員が続々と辞めていく理由を社長は本当に知らなかったらしい。正確には幹部*1が「そういう細かいことは社長には伝えないほうがいい」という判断で伝えなかったらしいが、そんなつまらん理由であれだけの人間が辞めていってしまったのである。本当にアホな会社だ。
ことの発端は、社長が社員が辞めていく理由を口の軽いの社員*2からおもしろおかしく聞いたらしいのだな。それを聞いた社長はとてもショックだったらしく*3、さっそく幹部を呼んで問いただしたのだが「そんな事実はない」ととぼけられたらしい。業を煮やした社長は直接その口の軽い社員のいるフロアに行って、ほかの社員に聞き込みをしたらしいのだ。
みんながなんて答えたのかは知らないのだが、必死の聞き込み調査の甲斐あってどうやら事実だということがわかったらしく、その途端に私の上司(部長と課長ね)と一切口を聞かなくなったのだな。どうもうすうす感づいていたようだが、まさか自分の会社でそんなことが起きているとは夢にも思っていなかったらしい。
まさしくはだかの王様である。
知らぬは自分ばかりなりだ。
私が思うに、社長としては事実を「知らなかった」わけだが、裏を返せば誰にも「教えてもらえなかった」のだから、そりゃショックだろう。
しかし仮にも会社のトップに立っている人間が「知らない」というのは罪である。そのせいでたくさんの人間が泣く泣く辞めていったのだ。そりゃ辞めていった人間のなかにはどうしようもない人間もいたが、有能な人間や伸ばせばいくらでも伸びる人間もたくさんいたはずである。そういった人材が「細かいことは社長には伝えないほうがいい」とかいうアホみたいな理由で会社を去っていってしまったのだ。
ま、こんな会社どうなろうとどうでもいいが、今回の事件は波紋が大きく、社内でもいろいろと動きがあるようなので今後の展開が楽しみである(今後も新たな情報が入りしだい速報でお伝えしようと思う)。