人を育てるってこと
前回の「会社は人(2005年1月26日)」では、もうちょっと違うことを書こうと思っていたのだが、つい興奮してしまい、バカバカな内容になってしまったので、ちょい反省。
だもんで、まずは恒例の社員動向から。昨日(2005年1月27日)から派遣社員(30代前半?・男性・派遣社員歴6年)が入社することになり、Windowsで組版をすることになった。前の派遣の女性と入れ替わりで入ってきたのだが、PC自体の操作は慣れているもののやはり組版は未経験らしい。
そもそもこの会社には社員を教育するとかいうシステム自体がないので*1、未経験で入った人間は独学で覚えるか、周りの人間に聞くかしかないのだが、組版のくの字も知らないような人間が独学で覚えるといっても限界があるし、かといって、周りの人間に聞こうと思っても、みんな普段の仕事で手一杯なのでそんな余裕はない。
となると、未経験の人間(特に新人)は例外なくスクールや講習などに行かされてDTPのイロハやソフトの操作などを習うのだが、そういうところに行った人間ほど長続きしないのである。むろん費用は会社の負担だから、別に本人が損をしているわけではないのだが、スクールや講習に行かされるとなぜか決まって3か月や半年で辞めてしまうのだ。
これはなぜなのか?
これは推論だが(会社の負担で)高い金を払ってスクールに行って勉強もしたし、プロのDTPオペレータとかいってもたいしたことはしていないし、これくらいのレベルなら自分でもできるから、こんな環境の悪いところにいる必要もねえやって思うのかも知れないが、私はそういう経験がないので実際のところはよくわからん。
ただスクールに行かされた本人からすると、会社から金は払ってもらったけど、現場での実際に即した知識(生きた知識)は教えてもらっていないわけで、特になんにもしてもらっていないという気持ちになるのかも知れない。人を育てるっていうことや教育するってことはたんにお金を払うってことではないということなんだろうねえ……。
もし私がまったくの未経験でこんな会社に入ってしまったら、きっとうんざりするな。DTPうんぬんとかいうよりも社会で働くということにまちがいなく幻滅するだろう。それを考えると、この会社に夢を持って入社した人間や将来のある人間は可哀想だ。
だが、こんな最低な会社でも石にかじりつく思いでがんばれば、どこに行っても通用する人間になれるかもしれない。だって、ここより環境が悪いところなんて滅多にないもの。それにいまは未曾有の就職難だから、とにかく仕事ができて給料さえもらえればいいって人もたくさんいるわけだし、それに比べればやりたいことができてお金までもらえるなんてすばらしい。
というふうに捉えることもできる。
つうか、そのくらいの希望をもってやってないと仕事なんかやってられんわいな。
………明日はどっちだ?
*1:どこもそんなものなのかもしれないが