プロフェッショナルとは……?

本日、入社したばかりの男性が会社を辞めた。本当は10/1(金)から来る予定だったのだが、当日になって「母親が足を骨折してしまい、面倒をみなくてはならないので入社を1週間ずらしてほしい」という連絡をしてきたそうな。私はその話を聞いて「こりゃ、もう来ないな」と思ったのだが、なぜか月曜日にはなにごともなかったかのように会社に来ていて、朝礼で普通に紹介されていてびっくりした。入社を1週間ずらしてほしいというのはなんだったのだろうか……?*1

まあいいや、いくら中途入社とはいえ入社したばかりで緊張しているだろうから、ちょっとは面倒みてやるかとその日の昼食に一緒に行き、「27歳で4歳の子持ち」しかも「前の会社はけんかして辞めた」とか、「23歳までゲームセンターでアルバイトをしていた」とかいうのを聞いて、なんか先は長くなさそうだなあと思ったりもしたが、子どもがいるのだったらそうそう辞められないような気もするし、入社をずらしてほしいと連絡してきたけれどもすぐに来ているし、けっこう続くかもしれないなあと思ったのである。

で、火曜日に昼食に誘ったら「(奥さまに)お弁当を作ってもらった」とのことだったので、「ああ、そう」と答えて、その日は彼とは一言も喋らなかったのであるが、仕事をしている後ろ姿が心なしか寂しそうにみえたのである。

そして水曜日に出社すると、「彼、昨日会社辞めたから」といわれ、「ああ、やっぱりな」と思うと同時に、その理由を聞こうかとも思ったのだが、わざわざ聞くのも野暮かと思い、素っ気なく「ああ、そうですか」と答えておいた。

あとから聞いた話によると、火曜日に一回退社したのだがもう一回会社に戻ってきて「家族の具合が悪いので面倒をみたい」といって辞めたらしい。

もし私がそういうふうにいわれたら「家庭の事情ではしょうがないね」と答えるしかあるまい。

別に誰が辞めようがまったくかまわないが、「家庭の事情」というのは便利だなと思ったりもして。本当かどうかを確かめる術がないのだから、相手を信じるしかないもの。私も今度使ってみることにしょう。

それにしても彼は2日しか会社にいなかったわけだが、なにを感じてなにを考えたのかは定かではない。ただ、ほかの会社に行っても同じことをするのではないかという気がした。

アメリカのメジャーリーグなどはシーズン途中に移籍が決定したとしても、移籍したその日に打席に立ち、マウンドに登り、なにもなかったかのようにプレイする。ということは、私が思うにその仕事のプロとしての実力と自覚があれば、どこに行ったとしても同じように仕事はできるのではないかと思う。たしかに自分が所属している会社という組織や環境は大事だが、やることが一緒なら別にどこにいようが関係がないと思うのだ。

自分の実力をいかんなく発揮したり、認めさせたりするのには、自分の周りの環境(自社だけでなくクライアントなども含めて)を変えなくてはならないこともあるわけだから、周りの人間関係や力関係を変えるのも実力のうちなのだろう。仕事ができる人というのは、そういうことを意識的(または無意識)にしているのかも知れない。

ということは、「ただ仕事ができる」だけではプロにはなれない時代なのだ。自分が仕事ができるなんていうのは当然で、自ら積極的に動いて周りの人間を動かし、影響を与える人間にならないといけんのである*2

となると、「別に誰が辞めようがまったくかまわない」とかいっている人間にはプロ化はちょっと難しそうではあるな。

★本日飲んだお酒★

キリンクラシックラガー 350ml×2、アーリータイムス サンベネデッド割り×1、カンパリ サンベネデッド割り×1

*1:本人に「お母さんは大丈夫なの?」と聞いたら「妹に全部任せてきた」といっていた

*2:どっかの会社で部長とか課長とか呼ばれて喜んでいる人たちに聞かせてやりたい