帝王切開 vs 普通分娩


施術当日私は12時30分に病院に入ったのでありますが、事前に「帝王切開では施術を開始してから5分ほどで赤ちゃんと面会できる」という説明を聞いていたのであります。

で、13時30分に施術開始とのことでカミさんが手術室に入ったのち、カミさんの父親と手術室の前のベンチで緊張した面持ちで身構えていたのでありますな。

そしてカミさんが手術室に入って

5分経過……

10分経過……

30分経過したものの特になにかが進行している気配はなし。

しかし、これまた事前に「診察が終わってから施術に入るのでそのぶんスライドするから遅れることもままある」ということを聞いていたので、「まあ、とにかく先生にお任せするしかないだろう」とどういう状況なのかを聞きに行きたい気持ちを抑え、じっと我慢。

そして1時間経過……

「絶対なにもしてないよな、これ……。それともなんかあったのか……?」などと不審に思っていたのでありますが、様子をうかがうために手術室の前を行ったり来たりしていると、ふと手術室の奥にある部屋から女の人の叫び声が聞こえてくるではあ〜りませんか (*´-ω・)ン?


「……いた〜い……いた〜い……いた〜い」


その声は始まったかと思うと、しばらくして静かになり、また気がつくと始まるといった感じで断続的に聞こえていたのでありますが、私たちおっさん二人がベンチでじりじりとしている間にじょじょに間隔が狭まってきて、最後は声がしない時間よりも叫んでいる時間のほうが長くなってきたのであります Σ(=Д=ノ)ノヒィィッ!!


「……いた〜い!……いた〜い!!……いた〜い!!!」


翌日にカミさんの話を聞いてあれは普通分娩の産婦さんの声だったのだと気がついたわけですが、そのときは女の人がひたすら叫んでいる声を聞いて「……なんかこわい」と ガクガク((( ;゚Д゚)))ブルブル 状態でありました。

で、その産婦さんの叫び声をバックミュージックにおっさん二人はベンチに腰掛けてほとんど言葉も交わさずひたすら待ち続け、そろそろどんな塩梅かを聞きに行かないとまずいかなと思いはじめた15時37分になんの音沙汰もなく、しかも出てくると思った反対側の扉からいきなり看護師さんが現れ、


「とつげきさんですか?」

「はあ? そうですけど……」

「はい、15時07分に産まれましたよ〜」

「え? あっ!? はい」


と布にくるまれた赤ん坊をいきなり渡され、どぎまぎしながら受け取ったのですけれども、なんか思っていたよりもしっかりしていてすごく重たかったyo ゚+。(ノ`・Д・)ノオォオォ。+゚


「目はみえないけど声は聞こえているからなにか話しかけてあげてくださいね〜」

「え? (;゚д゚)ェ. . . . . . .(こんなときはなんていえばいいのさ……)この子は男の子ですか? 女の子?」

「元気な女の子ですよ〜。じゃあ、おじいちゃんも抱っこしてみましょうか」

「え? オレも? オロオロ*1オロオロ」

「(おいおい、アンタ娘二人育ててるだろ……)」

つか、おんにゃのこだってのに産毛がものすごいふさふさで耳に毛が生えてたyo……(´-∀-`;)ダイジョウブカ?。

で、看護師さんに赤ん坊を返し、手術室に戻ったのを確認したあと、


「自分、お腹減ったんでご飯食べてきますね……」

「オレも帰るわ」

「あ、そうですか。じゃあお義姉さんに連絡お願いできますか。カミさん、二日間絶対安静らしいので」

「ああ、じゃあ連絡しとく」


あんまりにも待ちくたびれて疲労困憊のおっさん二人は、いまだに叫び続けている妊婦さんの声を聞きながら病院をあとにしたのでありました。

*1:;ω;