本日は渋谷でデェト
であります。
しかし、あいにくの雨。
「この雨じゃテニスできないね」
「いやあ、たまにはいいんですよ」
「でも、みんな楽しみにしてるんでしょう?」
「まあ、そうなんですけど雨じゃどうしようもないのはみんなもわかってるから大丈夫ですよ」
「あ、そう」
「とはいっても、一応直前まで様子はみますけどね。でも、今日は一日雨ですよ。いや、雨であってほしい」
なんてことをいいながら道玄坂界隈をうろうろし、お腹が減ったところでダブリナーでキルケニーをがぶがぶ飲みながら昼食をとっていたのでありますが、やはり雨はやみそうにないのでメンバーにテニスは中止の旨のメールを送ったのであります。
で、これで晴れてフリーになったのでありますが、彼女が彼女のお姉さんに私のことで相談をしに行くというので、なぜか葛西までノコノコ着いていくことに。
「あのー、行くのはかまわないのですけれども、お姉さまはボクが一緒なのをご存じなのでしょうか?」
「ううん、知らないと思うよ」
「いや、あの、“知らないと思うよ”っていうか、ちゃんと伝えていただかないとお姉さまが知っているわけがないと思うんですけど……」
「あ、そういえばそうね。じゃあ九段下で電話するね」
と九段下で東西線に乗り換える際に彼女が電話をしたのでありますが、「いま九段下で乗り換えたから17時30分に着くよ」と伝えただけで、私が一緒に行くということをまったく伝えていません。
「あのー」
「ん? なに?」
「ボクが行くってこと伝えていただけました?」
「あ! 忘れた!」
「ですよね」
「まあいいじゃん。平気、平気」
「いや、ボクはいいんですけど、一緒に行ったらお姉さまが驚かれると思うんですけど……」
「うん、まあそうかもね。ちなみに姉ちゃんすごい人見知りだから」
「それってなおさらまずいじゃないですか……」
「へーき、へーき」
「じゃあ、お姉さまには“あなたはうちの妹とどういう関係ですか?”って聞かれたらボクはなんて答えればいいんですか?」
「んー、姉ちゃん人見知りだから初対面の人にそんなこと絶対に聞かないと思うよ」
「……あ、そうすか」
なんかほっとしたような、しないような複雑な気分だったのでありますが、あっというまに葛西に到着してしまい、「意外と近いんですね」なんていいながら待ち合わせ場所のジョナサンに急いだわけであります。
で、そこにお姉さまがいらっしゃったわけですが、彼女の姿を確認してにっこりとほほえんだのですが、その後ろにいた私をみたとたん驚きのあまり目を見開き、ついでに目をそらされてしまいました。
「(ま、そりゃそうだよね)」
なもんで、彼女と並んでお姉さまの対面に腰をかけたのでありますが、あえてお姉さまとは目をあわせずにじっと目をつぶったまま真下をむきつつ、姉と妹の話を傍聴していたのでありますが、
「あ、なんか眠たくなってきた……」
と、ときどき本当にぐっすりと眠ってしまっていたというのは彼女には秘密であります。