土曜日はとても暑い日だった


のであります。

そんななか、12時からのテニスを敢行したのでありますが、メンバーが4人しか集まりませんでした。

でも、最低4人いればダブルスはできるので、ゲームをはじめた当初は


 「4人いればなんとかなるだろう」


などと、超楽観的な観測でもって特に問題はないような気がしていたのですが、よく考えたら4人だけだと休憩もままなりません。

しかも時間が経つにつれ、陽射しがじりじりと強さを増し、私たちの体力を容赦なく奪っていきます。


 「4人ていうのはちょっときついっすね」

 「ていうか、なんで今日みたいな日に限ってバカみたいに暑いんだよ……」

 「あ、でも13時になったらもう1人来ますよ!」

 「おお! そうしたらゲームの間に1人休憩できるじゃん!」

 「よしっ! じゃあそれまでにもう1ゲームやっておこう!」


……暑さにあてられてしまったせいか、はたまた1分でもコートを空けておくのが許せないのか、なんでそうなるのかはわかりませんが、みんな妙なテンションで猛暑のなかゲームをやり続けたのであります。

で、13時になってメンバーがもう1人増えたものの、以降は16時にもう1人来る予定であとはメンバーが増えるあてもなく、おまけに15時に1人帰らなくてはならないという事態に陥ってしまったのです。


 「こりゃさすがに無理だ……」

 「totsugekiさん、ちょっとレクセンターに行って誰か呼んできて!」

 「おお! その手がありましたか。えーと誰がいいですか?」

 「もう誰でもいいんだよ、そんなもん!」

 「あ、そうですね。じゃあ行ってきます」


てなもんで、自転車を飛ばしてレクセンターへと向かい、疲労困憊のうえに汗びっしょりの姿でスクールに乱入し、なりふりかまわずにメンバーを勧誘したのであります。


 「……お、帰ってきた。どうだった?」

 「いやー、もう手当たり次第に声かけてきましたよ」

 「何人くらい来そう?」

 「そうですねえ、あの感じからすると1人か2人は来てくれそうな気配でしたけど」

 「おお! でかした」

 「これで休める!」

 「じゃあ誰か来たら私は入れ替わりで帰らせてもらいますね」

 「え? せっかくだからゆっくりしていってくださいよ」

 「いや、さっきから腰が痛くて……」

 「あ、そうですか。無理いってすいません」

 「いえいえ、いいんですよ。たまにはね」

 「よしっ、じゃあもうひとふんばりだ!」


てなわけで、もう疲れてサーブも入らないというのに、なにかにとりつかれたようにゲームをし続け、16時になると予定どおり1人と、スクールを終えたばかりの有志が2人増えたのであります。

そしてこの時間になるとあれほど強かった陽射しも傾き、ときおりすゞやかな風がコート上を抜けるようになったので多少の体力を回復したものの、汗だくになって18時ぴったりまでゲームをし続けていたのでありました。


 「いやー、今日は本当に疲れた」

 「さすがに5人で6時間は疲れた」

 「何セットくらいやったのかなあ?」

 「もうさんざんやったからどのくらいやったかも覚えてないよ」

 「じゃ、ボクはこのへんで……」

 「え? これからどっか行くの?」

 「いや、ちょっとナイターに……」

 「えー!? こんなにやったのにまだ行くの!?」

 「はあ、まあ約束なんで……」

 「すごいね」

 「いや、別にすごくもなんでもなくて、ただのバカなんだと思いますよ」

 「いやー、これからまだ行くっていうのはすごいよ」

 「自分でも本当に行くのか疑問に思ってますけどね。じゃあ、みなさん本日はありがとうございました。また明日もありますのでよろしくお願いします」

 「はい、了解」


長い一日はまだまだ終わらないのであります。