最近、父の具合がよくない


らしいのであります。

というのも、ちょうど半年くらい前に実家にコタローとコジローを預けていたころは、にゃつらをさわりたい一心で毎週のように実家に帰っていたのですが、ここのところあまり実家に帰っていませんでした。

それに父ももう歳なので年々体力は落ちているのはわかっていたのですが、あんまりにも具合がよくなさそうなのにもかかわらず、本人が「オレは大丈夫だ」と頑なにいいはるので、「人の話を聞かないのも、具合がよくなさそうなのも歳のせいだから仕方ない」とあまり深く考えずにいたのもまぎれもない事実です。

しかし、こここところ毎晩必ず飲んでいる酒も飲めないくらい弱ってしまったらしいのです。

私はつねづね、


 「母ちゃんはなにかあるとすぐに“父ちゃんが心配だ”っていうけど、あんなにタバコぱかぱか吸って、毎晩酒飲んで、本当に具合が悪かったらそんなことできないでしょ? だからもし父ちゃんが酒が飲めないくらい具合が悪くなったら本当に心配してあげるよ」


といっていたのでありますが、昨日1カ月ぶりに実家に電話をしたら、電話に出た母に


 「あ、お父さんね、あんまりにも具合が悪くて酒どころかご飯も食べられなくなっちゃって、さすがに病院嫌いの父ちゃんも病院に行って検査をしてもらったら、胃に腫瘍ができていて、その検査結果が出るのが22日なの」


とかいう話をいきなりされ、「酒が飲めないんじゃかなり具合悪いんだな……」などと思いつつ、


 「……なんでどうでもいいことはすぐにメールしてくるのに、そういう大事なことをいわないの?」


と父の具合をあれこれたずねてみたものの、まったく要領を得ません。なので、


 「ちょっとでもご飯食べられて、自分の意志で動けるんでしょ? だったら、今日はもう遅いから明日行くから父ちゃんによろしく」


と電話を切ったのですが、酒が飲めなくなったとはいえ、まだタバコを吸っているというので、「まだ余裕があるのだろう」とそれほど心配はしていなかったのでありました。