実家のPCを直すために その一

まずはNECのサポートに電話してみた

正直あんまり期待はしていないが、一応電話するだけはしておこうと実家に赴き、土曜日の朝早くにサポートに電話をしてみたところ、運良くつながったのである。

で、向こうの指示通りにあれこれとやった結果、

 「機械的な故障ですね」

と断定され、

 「修理には43000円かかります」

といわれた。

なもんで、なんの気なしに「それ以上かかるってことはありますか?」と尋ねたら、

 「43000円以上でも以下でもありません」

とちょっと怒った口調でいわれたのだが、続けて

 「とりあえず見積もりだけして、その結果修理が必要ないようであれば診断料として3000円いただきますがそれ以外にはいただきません」

といわれたので、「じゃあ検討してみます」と答えて電話を切ったのだが、修理を頼むつもりはさらさらないのはいうまでもない。

で、本腰を入れて復旧作業にとりかかるために、まずは私の自宅にPCを持っていこうとしたのである。

そうしたら、「そんなもの持ってどこに行くつもりだ?」と異口同音にいわれ、「自宅」と答えると、「そんな重たい物を持って電車に乗るつもりか?」、「なんでそんなことをしないといけないのだ?」、「直すのならここで直せばよいではないか」とさんざんステレオでいわれ、いちいち説明するのがめんどうくさかったので「ボクの家にPCの修理の専門家が来てくれるから持っていかないといけないの!!」といったら、「なんでその人はここ(実家)に来てくれないのだ?」、「そうだ、いまからでもいいからここに来てもらいなさい」と口々に勝手なことばかり。

なので、「わざわざ修理に来てもらうのにこんなところまで来てくれとはボクの口からはいえませんし、それにここじゃ部品がないから直るものも直らないですよ」とかなり強い口調でいったらば、PCを自宅に持っていくのは渋々納得した様子。

しかし、その後も「そんな重たい物を持って歩いて落として大変だ」とか「雨に濡れたら大変だからビニールをかぶせなさい」、「よし、お前の家まで車で送るからちょっと待ってなさい」とあれこれ口を出してくるので、私は「ああ、私の心配をしてくれているのだな」と思ったら、どうやら

 「うちの大事なパソコンが壊されたら大変」

とお節介を焼いていることが判明。

なもんで、「いま壊れているんだから、これ以上は壊れませんよ!!」と言い捨てて、追いすがる両親からなかばひったくるようにしてPCを持ち出したのである。

だが、PCが壊れたことが判明したときには「お父さんの使い方が悪いから壊れた」、「いや俺は3ヶ月にいっぺんしか使ってないからあと10年はもつはずだ」、「いや、そもそもこんなに高いものが壊れるのはおかしい」、「そうだ、こんなに高いお金をだしたのになんで壊れるのだ?」とか、はたまた「特別なCDを入れてぱーっとやれば簡単に直るはずなのになんでお前は直せないのだ?」とか「お前が早く直してくれないからお父さんの機嫌が悪くてしょうがない」とか、もう迷信というか私がいわれるいわれのないたわごとをさんざんいわれ、

 「悪いのはボクじゃなくてNECです。だから文句はNECにいってください。それとボクも神様じゃないんだからそんなぱーっとは直せませんよ」

といい続けていたのだが、「年寄りの思いこみってすごいなあ」となかばあきれつつ、自宅へと向かったのでありました。