[仕事]派遣3日目 多大なるプレッシャーの正体


さて,本日も多大なプレッシャーを一身に受けながら作業をしているのだが,そもそも私がどんな作業をしているのかというと,たんにQuarkで作られたスーパーのチラシの修正をしているだけである.

しかし「たんにQuarkで作られたスーパーのチラシ」のドキュメントを実際に開いてみると,まずはものすごい数のオブジェクトと画像が所狭しと配置されているのに圧倒され,次いでそれらのオブジェクトがすべてモニタに描画されるまでの時間にイライラし,画面をちょっとでもスクロールするたびに再描画される時間にさらにイライラし,そして最後に修正をして保存をしようとすると必ずフリーズしてしまうのにはイライラを通り越して本当に涙が出てきてしまうわけだが,とにもかくにも作業を急かされるので涙を拭いているヒマもないというわけである.

つうか,つい30分ほど前に「こことここを修正して,ここを入れ替え」という指示をされたので,マシンがフリーズしないようにだましだまし,しかし必死になって作業をしていると「あ,やっぱりさっきの修正なくなったんで,もういいです」というようなことが2回ほど続いたのである.

ここで本来の私であればかなり腹が立っているはずなのだが,初日からのあまりのプレッシャーに「ああ,作業しなくてすんでよかった……」と実は内心ホッとしていたのである.

そして次の作業を依頼されるまでの束の間の平穏に浸っていると,私に作業とプレッシャーを与えている女性(むろん正社員だ)が,なにやら興奮した様子で電話でやり取りをしている.

それによると,どうやらさっきの修正は客が急いで直せというので急いで直したものの,営業(自社というか派遣先のそのスーパーの担当の営業)が気を利かせて修正をするとこういった感じになりますよといったようなFAXをしたらば,それをみた先方がやっぱりおかしいから辞めたといったような連絡が営業を通さずに現場に直接あったらしい.

そしてそんなことが2回も続いたものだから,その私に作業とプレッシャーを与えている女性がまずは営業に注意をし,それから客(スーパー側のチラシの担当者)に「今後そういうことはしないでほしい」というような連絡をしたらば,向こうのスーパー側のチラシの担当者(話によるとかなりうるさいおばさんらしい)に「あんたは仕事なんだから黙ってやっていいのよ」みたいなことをいわれたそうな.

で,いま私の目の前でその女性が女性の上司(課長)と担当営業に愚痴っぽく「私はそんなつもりはなかったのに相手にこんなことをいわれた」といったような報告をしているのを聞いた私は


 「ああ,彼女が私に与えていたものすごいプレッシャーは自分に余裕がないからだったんか」


ということに気づき,そして決して悪気があって私にプレッシャーを与えていたのではなかったということを確信したのである.

まあ,だいたいお客さんなんていうのは素人に毛が生えたような知識しか持ってないにもかかわらず,そういう人間にかぎって「私はプロなのよ!!」などと玄人ぶってひどく真面目にアホな指定をしてきたりするものであり,それは特に年輩の女性に顕著なような気もしないでもないが(これはたんに私の偏見かもしれないが),いくら仕事とはいえそんな人間とかかわらないといけない羽目になってしまった人間というのはしなくてもよい苦労をさせられるものなのである.

つまりは,私に過剰にプレッシャーを与えていた女性もその自称プロ気取りのクライアントの被害者であったということであり,無茶なリクエストをしてくるクライアントの要望に応えるために必死だったというわけである.

しかし,だからといってなにをしてもいいというわけではないし,それがわかったからといって明日から急に過剰なプレッシャーがなくなるというわけではないが,その理由さえわかれば対処のしようはいくらでもあるはず.

う〜ん,こいつはどうしたもんかねえ.

なかなかに難しい.

ま,つまるところ仕事というのは人間関係なのですなあ…….