[グルメ]神田すずらん通り・浅野屋
で,スクールから帰ってきてメールチェックなんぞをしていると,18時ちょっと前にW隊長から
「お酒を飲みに行きませんか?」
というメールがあり,バイトすることも決まったことだし,近況を報告しておくかと行く旨を返信し,W隊長が勤めている某I社の近くで待ち合わせをしたのである.
そして約2ヶ月ぶりくらいにW隊長に会ったのだが,
「totsugeki君はいまなにしているの?」
とか
「次の仕事は決まったの?」
などとは少しも聞かれず,こちらからWBCで日本の優勝の話題を振ると嬉しそうに話をしてくるのはあいかわらずである.
つうか,ふつう知り合いが会社を辞めて3ヶ月も経っていたら,いまなにをしているのかちょっとは気になると思うのだが,そんなことを聞いてくる素振りもないというのは,一見,相手に気を遣っているようにもみえる.
だが,W隊長とはかれこれ8年来の付き合いになるので,私は実はそれが純然たる天然,というかW隊長にとっては私の去就などどうでもいいことなのだということを知っている.知ってはいるのだけれども,
おいらがなにしてるのかまったく気にならんのか?
と思いつつ,WBCでの日本の優勝や王監督の采配,イチローの活躍を熱く語っているW隊長の話を聞きながら,自分からは決して近況を切り出さず,W隊長からなにか聞かれたらはじめて答えようと固く心に誓っていたのである.
で,そんな話をしながら,なんとなく神保町方面に歩き始め,いつものように「どこにしますか」などといいながらぷらぷらと歩きつつ,「じゃあ,浅野屋にしますか」とすずらん通りに向かい,「久しぶりだなあ」などといいつつ,店に入る.
[グルメウォーカー] 浅野屋-神保町駅/居酒屋
http://www.asanoya.tokyo.walkerplus.com/
ここではいつも同じようなものしか頼まないのだが,久しぶりに行ったらいま流行のジンギスカンなんぞが置いてあったりしてちょっぴりメニューが変わっていたのだが,いつものように生ビールから始まって刺身を1〜2品にトマトに厚揚げ,焼き鳥,揚げ出し豆腐にタコの唐揚げ,漬け物などなど,これまたいつもと同じようなものを注文する私たち.
ここの料理は当たりはずれがなく,なんでもおいしいのでなにを頼んでも問題はないのはわかっているのだが,ついつい同じものを注文してしまうのである.
そしてときどきカウンター奥の天井に据え付けられたテレビをみながら,あいかわらずWBCの話で盛り上がる.
私「いやあ〜,日本優勝してよかったですね」
W氏「うん,あれはメキシコのおかげだね」
私「つうか,優勝できなかったら帰って来れませんでしたよね」
W氏「でもまあ,日本もよく優勝できたよね」
私「それはきっとあの審判のおかげじゃないですか?」
W氏「日本って3敗もしてるからね,そんなんでよく優勝できたと思うよ」
私「え,そうでしたっけ?」
W氏「韓国に2敗して,アメリカに1敗」
私「あ,そういえばそうでしたね.でも最後,韓国には勝ちましたよ」
W氏「最後だけでしょ? でも,韓国はあの1敗しかしてないのに優勝できなかったんだよね」
私「あ,そういわれりゃそうですね」
W氏「だから韓国のメディアはあの試合方式はおかしいっていってるらしいよ」
私「でも,それはアメリカが決めたんでしょ?」
W氏「まあね」
私「ま,アメリカも優勝候補だったのにあの体たらくですからね」
W氏「アメリカって適当な国だからね」
私「BSEとか?」
W氏「そうそう,あの国は日本が属国だと思ってるからね.それにもともと適当なんだよ」
私「でもなんで日本はそんな適当な国のいうこと聞くんですかね?」
W氏「そりゃ日本が属国だと思っているから」
私「……あ,なるほど」
W氏「それに自分たちが決勝まで強い国と当たりたくないからあんなトーナメント方式にしたくらいだし,それに……」
私「あんな審判使うし?」
W氏「あれはたぶんね,どうしても勝ちたかったんだと思うよ」
私「え? そうなんですか?」
W氏「どうしても勝ちたかったからあんなジャッジをしたんじゃない?」
私「ま,アメリカも優勝候補でしたからね.でも,あれはまずいでしょう」
W氏「そこまでして勝ちたかったんだよ」
私「でも,あのボーク・ボブ・デービッドソンってマイナーの審判なんでしょ?」
W氏「メジャーの審判はお金が足りなくて契約できなかったらしいよ」
私「つうか,あれだけ物議を醸したのによく平気で決勝戦とか出てきますよね」
W氏「だっていい加減だもん」
私「でも,あれだけやってもアメリカは優勝できなかった」
W氏「まあね」
私「あ,でもそうなると一番強かった国っていうのは結局……」
W氏「韓国」
私「そうなりますよね」
W氏「日本はアメリカの適当さとメキシコのおかげで優勝できた」
私「韓国ねえ.いやあ,ぶっちゃけアメリカとかキューバに負けるのは別にいいんですよ,別に負けたら負けたで.でも……」
W氏「?」
私「韓国にだけは負けてほしくないんですよね」
W氏「ああ」
私「でも,韓国って強いじゃないですか.野球とかサッカーとか」
W氏「そうなんだよね」
私「だからこそ,韓国にだけは負けてほしくないんですよ」
W氏「そうだね.それは自分もそう思う」
なんて話をしていたのだが,その後もいつものようにスポーツの話題で盛り上がり,夜は更けていったのであった…….