［会社］仕事ができる人間は会社でなにをしてもいいのか？
結論からいってしまうと「いいわけないだろ！！」ってなもんで、まあ当たり前である。
だが、実際にはそうではない。
本当は人道的（？）にそんなことはあってはならないのだけれども、実際には他の人よりも仕事ができるというだけで横暴のかぎりを尽くしている人間はどこの会社にもいるものだ。
そういえば私が前に勤めていた編集プロダクションにもそういう人間がいたが、たかだか10人足らずの会社で自分が2番目に売上があるからといって「仕事ができない人間はこの会社には不要だ」とか平気でいったり、「売上をあげるためには自分をサポートする人間が必要だ」とかいって社員を募集したり、はたまた「このソフトを購入すれば作業の効率が上がる」とかいってなにも知らない社長をたばかって高価なソフトを買ったりとやりたい放題だった*1。
その頃の私はDTPのDの字も知らず、ただ毎日書籍の受注と発送と在庫管理だけをしていただけだったが、やつがなにか口にするたびに「へっ！！ 別にお前たいしたことしていないじゃん」と常々思っていた。
だが、やつのいっていることは絶対におかしいと思いつつも、当時の私にはなにがおかしいのかを口に出していうことができなかった。それは自分がやつのように売上をあげていないというのもあったのかもしれないが、本当のところなにがおかしいのか自分でもよくわからなかったのである。
ただ売上をあげていたらなにをしてもいいなどという道理は存在しないということだけは確信していた。
それから月日が経ち、編集を経てDTPを覚え「さあこれから売上をあげて、やつを見返してやるぞ〜」と意気込んでいたのだが、その途端に資金繰りがうまくいかなくなり、社員は全員解雇とあいなった。
やついわく「こんな会社は潰れて当然」みたいなことをいっていたが、私は「お前の無駄使いのせいじゃないの？」と思わずにいられなかった。それにまがりなりにも「会社を背負っていた人間」は絶対にそういうことはいわないと思うのだが、まあいまとなってはどうでもいいことだ*2。
私はその後、紆余曲折を経て、現在勤めている印刷所の面接を受けるわけだが、前の会社では経験もなく一番下っ端だった私が、この会社では編集とDTPの経験者ということで優秀な人材（？）かつ即戦力（？）という多大なクエスチョンの鳴り物入りで入社が決まる。
しかし私のほうとしては印刷所の組版のレベルはどんなに高いのだろうとか、教えてもらわないといけないことばかりだろうなとか、ものすごく期待をしていたのだが、実情は組版のイロハも知らないオペレータばかりで（いやマジで）、技術的なことを教えてもらうことはほとんど皆無、逆に周りに教えてあげなくてはならないことばかりで不本意ながらも社内では相対的に仕事ができる人になってしまった。
で、ここまでは前置きで、ここからがこのエントリーの本題。
私自身こういう状況になって初めてわかったのだが、「仕事ができる人間は会社でなにをしてもいい」というのは決してそういうわけではなく「仕事ができない人間はなにもいえない」という解釈もあるということに気がついた。
というのも、会社には大きく分けると「仕事ができる人間」と「仕事ができない人間」しかいないわけで、そうなると仕事ができる人間（もしくは周りからそう思われている人間）にとっては自分にはそんなつもりは一切なくても、他人（仕事ができない人間）にはそういう風にみられることがあるという事実を否めない。私は決してそういう人間*3を弁明するわけではないが、もしかしてホリエモンもそういう類の人間なのかしらんと思ったりもする（それはないか？）。
なんでお前にそんなことがわかるのかといわれそうだが、いまの私の社内での立場がまさにそうなので、ホリエモンの気持ちも痛いほどよ〜くわかるのだ（それはウソ）。
というか、私にはそんなつもりはさらさらないのだが、相対的に立場の強い人間が積極的に発言をすると、意図はどうであれ結果的に立場の弱い人間の意見を排除してしまうそうな。なんでそういう風になるのかは私もよくわからんが、結果的にそうなっているらしいので事実として認めざるをえまい。
私としてはアホな上司と日々闘っているので、やつらに少しでもプレッシャーを与えるために、事あるごとに意味があろうがなかろうがあれこれと発言するようにしているのだが、どうやらそれがいけんらしい。
その事実を告げられたときに「そんなにいいたいことがあるのなら自分の口でいえるようにすればよいのではないですか？」と丁重にお答えしたら、「世の中にはあなたと違って自分のいいたいことをいえない人間もたくさんいるんです！！」なんて逆ギレされたりして。
……いや、私もどちらかというと自分のいいたいことをいえない人間なんですけど。それに仕事にこだわりはあるけれども、たいして仕事をしているわけでもないしなあ（これも相対的な比較なのか？）。
とまあ結局のところ、社会人として世に出て会社に勤めている以上「仕事ができない人間はなにもいえない」というのは悲しい現実なのではないかと思う次第。学生のときは勉強ができなくてもなんら問題はなかったし、ある意味みんな平等だったけれども、社会人になって世の中に出たら労働してお金をもらっている以上、みんな平等ってわけにはいかないよねえ。
だからといって、仕事ができるから会社でなにをしてもいいというわけでもないけどもさ。
