白山駅 徒歩1分 『庄屋』白山店

のびのびコジロー


なにが悲しくておじさんと酒を飲まにゃあならんのだと思われるむきもあるかもしれないが、このおじさんは私がはじめて会社に勤めたときにお世話になったおじさんなんである。あの当時、人見知りのくせになまいきな若造だった私に、ぶっきらぼうだが親身になって仕事を教えてくれた方なのである。この方がいなければ現在の私はたぶんなかったであろう。だから頭が上がらないんである。

で、この方(名前はSさんとしておこう)から月に1〜2回ほどお誘いがあるのだが、むげに断わるわけにもいかず、いわば恩返しもかねて前の会社があった白山駅(というか駅前の庄屋が行きつけなのだ)まで出張するのだが、Sさんはもう定年間近。かくいう私のほうは出版・印刷と渡り歩いてこれからが働き盛りと、昔とは立場がまるっきり逆転してしまっているわけで、出版界や印刷界の今後の展望について真剣に議論なぞまちがってもしたりするわけもなく、思いつくかぎりの愚痴を聞いたり、酔っぱらって一方的にされる昔話をひたすら聞いたりと、ほぼ100%おじさんとお酒を飲むとありがちなパターンにおちいってしまうのである。

それだけならまだいいのだが、このSさん、お酒は好きなのだがめっぽう弱い。それなのにガブガブ飲んでしまうので、すぐべろんべろんになってしまうのである。こうなるとさすがの私もなにをいっているのかさっぱり理解できず、大声でなにかをわめいているただのおっさんに成り下がってしまうのである。まあ、それでもまだほかのお客さんとトラブルを起こしたりはしないので、まだかわいいものではあるのだが。

そしてスナックに行ってもあいかわらずわけのわからないことをわめいているSさんの後ろ姿をみて、一抹の寂しさを感じつつ、また仕事をやり繰りして来ないといかんなと思うのだが、酒を飲む機会を増やすとまたべろべろになる機会も増えちゃうしなあ。酒は飲んでも飲まれるなという教訓を身を以て教えてくれるのはいいが、完全に飲まれてしまうというのも困ったものである。

そんなこんなでかれこれ13年来の付き合いになるのだが、これからこのつきあいはどのくらい続くのかはさっぱりわからない。なるべくなら長く続けたいとは思っているのだが、恩返しとか親孝行とかいうものを実践するのはなかなか難しいものである。


『庄屋』白山店
東京都文京区白山5-36-4 松本ビル1階
TEL:03-3816-4973
営業時間:17:00〜26:00

★本日飲んだお酒★

ビール(銘柄不明) 中ジョッキ×1、焼酎(左馬:庄屋ブランド?) 水割り×5杯、
ウイスキーサントリーの安い酒だったような) 水割り×5杯