こんな時間に1人で来るような客というのは
たいてい、ギネスを片手に携帯電話を食い入るようにみつめているのであります。
「つうか、おまいら仕事中ぢゃないのか?」
というような格好の男女が1人で入店してきては2人掛けのテーブルに窓側を背に陣取り、ギネスを頼み、そして毛痛い……もとい携帯電話をみつめているわけです。
で、かくいう私もそのうちの1人なのでありますが、携帯電話を片手ではなく、両手で持っているところが違う。
旗からみるとたいして変わりはないと思われるかもしれませんが、私にいわせてもらえば、もう全然違うわけです。
「こいつ(es)さえあれば5時間でも6時間でもいられるような気がするぜい」
おまけにテニスの疲れ&キルケニーとギネス&セントパトリックデーの相乗効果でいくらでも文章が書けそうな勢いなので、このまま書き続ければなんだかいいものが書けそうな予感がしてきました。
……でも、それはかなわない夢です。
なぜなら近くにコンセントがみあたらないからです。
「……隣のテーブルに座ってる男の人、仕事の電話しながらギネスとタラモアデューの水割り飲んでるけどこれって絶対仕事中だよな」
でも、話しかける気も勇気も私にはありません。