[組版]組版とは切り抜くこととみつけたり
製版あがりの印刷所だと、必然的にそうなるのかもしれない。
なんたって、いまだにスキャニングのこと「分解」とかいってるし(その昔は4色分解といって、4色の印刷物や写真はCMYK を1色ずつ分解してからネガやポジにしたのだ)、いちいち言葉が古いから、私も意味を知らないわけじゃないけど普段使わない言葉だから、ときどき相手がなにをいっているのかよくわからないときがある。
つい、この間も
「カンプあと2枚出しておいて!!」
といわれて、
「はぁ? かんぷ?」
という感じだったのだが、よくよく聞いてみると校正紙(プリンターで出力したもの)のことを、ここでは「カンプ」といってるらしい。
つうか、プリントアウトとか校正紙とかっていてもらえばすぐわかるのに、わざわざカンプなどといっているのはなんでなんだろね?
そもそもカンプってデザイナーが作成したラフのことを指す言葉だったような気がするのだけれども、まあ社内で意味が通じればそれはそれでいいのかもしれない。
けれども、新しく入ってきた人間にはあまり親切ではないし(特に派遣社員なんかは回転が早いのでなおさらだ)、それにごくせまい業界で使われている用語とはいえ、厳密にいうと意味が違う言葉をみんなで使っているのは恥ずかしくないのだろうか? いや、その前にみんなおかしいと思わないのか? などと思ったりするわけだが、まあおいらがとやかくいうことでもないやねえ。
でも、ここでの作業というのは、ひたすらテキストの流し込みと画像を貼り換えるのが大半で、そして画像を貼り換える作業の9割に切り抜きが発生するのだけれども、それというのは
画像スキャニング・切り抜き=この会社
という図式が発注側のほうで、できあがっているのかもしれない。だから、分解(スキャニング)が分解をよび、切り抜きが切り抜きをよぶわけだが、これが組版かといわれるとたしかに組版の一部ではあるけど、
たぶん組版よりも製版に近い工程だから、厳密にいうと組版じゃないかもしれない。
……いや、別にだからどうだってわけじゃないよ。
ただ、朝から切り抜きをしているもんだから、モウアキタ……。